手軽に分散投資でき、比較的低資金でも運用しやすいことから人気を伸ばしてきたETF。値動きが分かりやすいので初心者、上級者問わず大人気です。
しかし、「なんか用語が難しくて……」「新しい金融商品ってちょっと心配……」といった理由で、ETFをやってない人もいるのではないでしょうか?
もし、そんな理由でETFから離れているのであれば、それはもったいないです。
というのも、ETFは仕組みはそれほど難しくないですし、リアルタイムでトレードでき市場も活発なことから、機関投資家からも絶大な人気を誇る安定商品なのです。
そこで、今回は「ETFのメリットやデメリット」「どういう人にオススメなのか?」「オススメの証券会社はどこか?」「デメリットをなくす方法」などについて解説してきます。
記事を読めば、あなたもETFを始めるのに十分な知識を得られるので、ぜひこれを読んでETFで取引を始めてみてください。
- ETFのメリット、デメリット
- ETFはどういう人にオススメなのか?
- ETFにオススメの証券会社はどこか?
- ETFのデメリットをなくす方法
ETFとは?

ETFとは、「Exchange Traded Fund」の頭文字を取ったもので、日本語に直すと「上場投資信託」といいます。
投資信託の一種で、名前は聞きなれないかもしれませんが、投資家の中では大人気の商品です。一時期は日経平均レバレッジ・インデックスという商品が、東証1部の売買代金ランキングで連日1位を独占していたぐらいです。
一般的な投資信託とは何は違うかというと、「投資先企業が上場しているかどうか?」が異なります。
投資信託は上場していない企業を対象に投資するのですが、ETFは上場企業を対象に投資をするわけです。
なので、株式投資と投資信託の中間的位置づけの商品と言えるでしょう。イメージ的には以下のような感じですね。

投資先が上場企業であることからも分かるかと思いますが、ETFは日経平均株価やTOPIXといった指数に連動しやすいです。日経平均株価やTOPIXが上場企業の株価から決められるから当たり前と言えば当たり前ですね。
指数が上がればETFの価格も上がり、指数が下がればETFの価格も下がります。
メジャーな指数に連動していて、投資初心者にもわかりやすいのが金融商品としての人気に拍車をかけてると思います。
ETFのメリット

まずは、メリットから把握しましょう。
- 手軽に分散投資が可能
- コストが低い
- 値動きが判断しやすい
- 売買しやすい
- リアルタイムでのトレードが可能
- 商品が多く、アセットロケーションしやすい
ETFのメリットその①|手軽に分散投資が可能
ETFの投資対象である指数は、様々な企業の銘柄を組み合わせて作られるので、ETFを1つもつだけで、実質的に分散投資を行えます。
一般的な株式投資では、自分で組み合わせを考えて、投資先を選ぶ必要がありますが、ETFであればその作業を省略出来るわけです。
もちろん指数を複数組み合わせれば、もっとリスク分散できるので、分散投資の戦略を練らなくてもOKというわけではありませんが、銘柄の組み合わせを検討しなくてもいいのは、時間がない人にはかなりうれしいはずです。
また、一つのETFを買えばOKということは、資金面に関しても「少額投資でOK」という嬉しさがあります。
株式投資だと、分散投資をしようと思うと、最低でも50万くらいは欲しいところですが、ETFなら指数にも寄りますが、1万円あれば分散投資できちゃうわけです。

ETFのメリットその②|コストが低い
EFTは、コストの低さも魅力です。
上でも書きましたが、ETFは投資信託の一種です。ですので、ETFを保有している間は、信託報酬がかかります。
しかし、ETFはこの信託報酬が安い。投資信託なら保有資産に対して0.5~2.5%ぐらいを信託報酬として支払いますが、ETFはたった0.1〜1%程度です。
この理由としては、「ETFはインデックス運用を基本としており、低コストで運用していること」が挙げられます。このインデックス運用では、指数の動きに対して機械的に投資判断を下すだけなので、運用コストが低く、手数料が安くなるわけです。
また、投資信託と異なり、ETFは取引所ですでに販売されているものを買うだけなので、金融機関への営業代とかがかからず、信託報酬を下げられているといった背景もあります。
とにかく結論としては、コストが低いので無駄なお金を払わずに済むわけです。
ETFのメリットその③|値動きがわかりやすい
ETFは、対象の指数と同じ値動きをするよう運用されるため、初心者でも値動きを判断しやすいです。だって、指数にだけ注目しておけばいいわけですから。
たとえば、『MAXIS 日経225上場投信』は日経平均に連動します。以下のようなイメージですね。

そもそも指数は、株式とか債権について、市場全体やいくつかの特定銘柄の値動きの全体傾向を掴むために作られたものです。日経平均であれば、日本経済新聞社選んだ、東証第一部上場銘柄のうち取引が活発で流動性の高い225銘柄が対象です。
日本の株式を対象にした指数としては、TOPIX(東証株価指数)とかも有名ですね。
この指数情報は、基本的に新聞とかアプリで見れますし、投資に慣れない人でも情報を集めやすいです。株だと取引ツールでチャート確認したり、決算書読んだり、四季報見てみたりで色々情報を集めたりするので、楽ですよね。
なので、指数に連動しているというのは、値動きの判断のしやすさという点でメリットなわけです。
ETFのメリットその④|売買しやすい
3つ目のメリットは「売買しやすいこと」ですね。
理由は2つあって、1つ目が「市場が若く規模も大きいこと」。
市場が若いので新規参入者も多く、取引が活発ですし、市場規模も大きいので内部流通している資金量も多いです。そのため、需要と供給のつり合いが取りやすく、結果として売買が成立しやすくなっています。
2つ目は、「売値」と「買値」の価格の乖離が少ないこと。
例えばですが、もしかしたら将来的に値段が上がるかもしれないものがあるとします。ただし、100円で買って、すぐに売っても80円になります。そう言われると、ちょっと買いづらくないですか?
だって、値段が上がらなかったら、20円の損になってしまいます。
ただ、もし100円で買って、すぐに売れば99円のものだったらどうですか?多分、さっきよりも買いやすいのではないかと思います。
ETFも同じような感じで、他の金融商品に比べて、「売値」と「買値」の価格乖離が小さいといった特徴があります。結果、心理的に売買のしやすさを後押ししているわけです。
ETFのメリットその⑤|リアルタイムでのトレードが可能
上でも説明しましたが、ETFは「上場企業銘柄を対象」とした金融商品です。ですので、株式投資と同じで、証券会社を通して取引注文を出します。
そのため、価格は株式投資と同様に市場でリアルタイムに変動しています。そのため、リアルタイムでトレードすることも可能です。
一方、普通の投資信託は、1日に1回だけ価格を算出しているので、リアルタイム投資というのはできません。リアルタイムでトレードなんて当たり前じゃんと思うかもですが、実はETF固有の特徴になっているわけです。
まぁ、デイトレードには興味がないって方はあまり気にしなくてもいいかもです。
ETFのメリットその⑥|商品が多く、アセットロケーションしやすい
最後のメリットは、「商品が多く、アセットロケーションしやすいこと」です。
アセットロケーションとは、運用する資金を国内外の株や債券などにどのような割合で投資するのかを決めることを指します。リスク分散の観点で、かなり大事な考え方です。
当然ですが、選べる商品が多ければ多いほど組み合わせ数も増えるので、アセットロケーションの有効性はグッと増します。
その点、ETFなら投資信託には及ばないものの、リスク分散するには十分な商品数を持っています。
下のグラフはETFの銘柄数の推移を表しています。ここ数年は横ばいですが、200もあれば十分なアセットロケーションを行うことができます。

たとえばですが、先進国と新興国を組み合わせて分散したり、株と債券を組み合わせたりして、リスク分散していくのがオススメです。
自分の投資スタイルと資金に相談しながら組み合わせを考えてみてください。
ETFのデメリット

ここまでETFのメリットばかり解説してきましたが、当然ながらデメリットもあります。
- 売買手数料がかかる
- 積立ができない
- ちょっとお値段高め
- 分配金が自動的に再投資されない
ETFのデメリットその①|売買手数料がかかる
ETFのデメリットの1つ目は、信託報酬のほかに売買手数料がかかることです。個人的には一番のデメリットです。
売買ごとに証券会社で規定された手数料を支払う必要があるので、取引回数を多く重ねるデイトレードのような短期運用を考えている人は注意してください。
なお、証券会社によっては、特定のETF銘柄なら手数料無料とか1日の約定料金が10万円以下なら無料とかもやってるので、うまく探せばこのデメリットは気にせず運用できます。
下の「ETFにオススメの証券会社」って章で、手数料無料の証券会社を紹介してるので、よかったら参考にしてください。
ETFのデメリットその②|自動積立ができない
2つ目のETFのデメリットは、自動積み立てができない点です。
普通の投資信託なら、月々で一定金額を自動で積み立てすることが可能です。たとえば、毎月10日に3万円分を自動で購入するとかです。設定さえしておけば、毎回注文手続きをせずとも自動で買えるので、買うのも面倒な人には便利な機能なわけです。
しかし、ETFはこの自動積み立てができません。基本的に自分で毎回注文を出す必要があるので、手間と言えば手間です。
自動積み立てをしたいという人は、素直に投資信託にしときましょう。
ETFのデメリットその③|ちょっとお値段高め
株式投資とかFXと比べたら全然安いですが、ETFは、最低投資額が若干高いです。大体1万円以上からになってます。
投資信託だと、数千円ぐらいからあるので、1万以下しか投資に割けないという人はETFは向かないです。
とはいえ、それでも1万円ぐらいなんで、ここは頑張って資金確保してもらえればと思います。
ETFのデメリットその④|分配金が自動的に再投資されない
最後のデメリットは、分配金が自動的に再投資されないことです。
基本的に投資信託は分配金が自動的に投資枠に組み込まれて、再投資されます。そのため、複利効果を受けて、資産が増えやすいです。
しかし、ETFは、分配金を自分で再投資する必要があり、ちょっと手間です。
まぁ、複利運用を検討していない方には、大したでメリットではないですが、複利運用を考えている方は、気を付けましょう。
ETFがオススメな人

では、これまでのメリット・デメリットを総括して、ETFがオススメな人を考えていきます。
結論から言うと、以下のような人にオススメ。
- 年間30万ぐらい投資に回せる人
- プロに運用を任せたい人
- 自分で売買注文するのが苦ではない人
年間30万ぐらい投資に回せる人
ETFは本質的には投資信託なので、長期的に運用する方が適した金融商品です。
そのため、毎月数万円ぐらいを定期購入していくのが一番おすすめの運用になるのですが、最低取引単位が安くても1万円とかなので、2銘柄ぐらいを毎月買うとして、最低でも年間30万円は欲しいところです。
定期預金ですでに毎月3万とか貯金できてるとかって人は、貯金からETFへの切り替えをオススメします。
プロに運用を任せたい人
ETFは投資信託の一種なので、運用はプロにお任せです。
なので、企業の財務状況を調べたり、チャートを見たりする時間がないって人には、ETFはオススメです。
あと、投資には勉強がつきものです。特に、株式投資とかFXとか自分で運用管理しないといけないものは、そこそこ勉強しないと勝てません。(情報商材ですぐに稼げるとか書いてますが、はっきり言って嘘です)
僕は投資の知識を学生時代に勉強したため、それなりに時間をとって勉強出来ましたが、会社員だとそうもいかないかと思います。
ですので、まずは運用はプロにお任せするような商品から投資に入って、あとで株式投資とかに手を出すのも全然アリです。
初心者の人は金銭的なコストばかり目が行きがちですが、勉強することも一種コストなので、どこまで投資に時間をかけられるか自分のライフスタイルと相談してみることをオススメします。
長々書きましたが、その点、ETFは勉強コストの低い商品なので、時間をかけたくないって人にはオススメですよ。
自分で売買注文するのが苦ではない人
投資信託と違ってETFは自動積み立てができません。なので、毎回自分で新規注文と決済注文をしないといけないです。
まぁ、注文なんてスマホですぐできるのですが、これが面倒という人もいるので、一応「自分で売買注文するのは苦じゃない人」とさせていただきました。
ETFにオススメの証券会社

ETFは個人的に言わせれば、売買手数料との闘いです。だって、一回購入あたり100円とか取られてたら、数%の利率なんて簡単に吹っ飛びます。
1万円分購入して、100円取られてたらそれだけで、マイナス1%です。
ですので、僕のオススメは「手数料が安い、もしくは無料の証券会社」です。
以下にオススメ証券会社を3社に厳選したので、よかったら参考に。ちあみに、選定方針は「手数無料サービスがあること」「信用できる会社であること」「便利サービスありなこと」です。
証券会社 | 手数料に関するサービス | オススメな人 |
---|---|---|
楽天証券 | 楽天証券の定める110本のETF銘柄が手数料0円です。人気どころは網羅してますし、とりあえず低コストで運用したいという人は楽天証券一択ですね。ちなみに楽天カードで積み立てれば、1%分ポイントで返ってきます。 | 楽天カードでポイント貯めたい人(楽天経済圏を有効活用したい人) |
SBI証券 | 国内104銘柄と米国9銘柄が手数料なしです。米国ETFのみですが、自動積み立てができちゃう唯一の証券会社です。なので、自動積み立てで運用したい人はSBI証券一択ですね。 | 米国ETFを自動積み立てしたい人 |
auカブコム証券 | auカブコム証券の定める90本のETF銘柄が手数料無料です。楽天証券より数は劣りますが、正直人気どころは押さえてるのであまり差はありません。個人的にはauカブコム証券の方が注文方式が豊富で玄人向けな印象。上手く組めば自動売買も可能なので、日中忙しい方にオススメですね。 | いろんな売買方法を扱って自動注文したい人 |
ロボアドバイザーでETFのデメリットは解消可能

最後に、一つの提案として、ロボアドバイザーも挙げておきます。
というのも、ロボアドバイザーを使えば、実質的に自動積み立ても可能で、デメリットで挙げた「自動積み立てができない」「分配金が自動的に再投資されない」といった課題を解決できるのです。
ちなみに、ロボアドバイザーは「AIに資産運用をお任せするサービス」です。
有名どころとしては、以下の2つですかね。(やたらとYouTube広告とかで出てきます)
- ウェルスナビ
- THEO
出始めてすぐのころはAIの精度が微妙で、マイナスになってしまったとかいう声も結構聞こえてきたのですが、ここのところは精度も良くなってきてるみたいです。
実際僕も、資産の一部をロボアドバイザーに回していますが、トータルで見れば年利1%ぐらいでプラスですね。
手数料はかかりますが、資産配分とか注文手続きを勝手にやってくれると思えば、ロボアドバイザーも魅力的に見えるかと思います。僕もそうですが、特に会社員で日中忙しい人には特にオススメです。
ETFのまとめ
今回はETFについてそのメリットやデメリットなど基本事項を解説していきました。
もう一度おさらいしておくと、ETFは「上場企業を対象とした投資信託」で、株式投資と投資信託の中間的位置づけの金融商品です。
メリットとしては以下のようなものがあり、初心者にもオススメの商品です。
- 手軽に分散投資が可能
- コストが低い
- 値動きが判断しやすい
- 売買しやすい
- リアルタイムでのトレードが可能
- 商品が多く、アセットロケーションしやすい
ただし、注意してほしいのが、ちょっと売買手数料が高めです。なので基本は売買手数料無料の証券会社で運用してください。以下がオススメです。
証券会社 | 手数料に関するサービス | オススメな人 |
---|---|---|
楽天証券 | 楽天証券の定める110本のETF銘柄が手数料0円です。人気どころは網羅してますし、とりあえず低コストで運用したいという人は楽天証券一択ですね。ちなみに楽天カードで積み立てれば、1%分ポイントで返ってきます。 | 楽天カードでポイント貯めたい人(楽天経済圏を有効活用したい人) |
SBI証券 | 国内104銘柄と米国9銘柄が手数料なしです。米国ETFのみですが、自動積み立てができちゃう唯一の証券会社です。なので、自動積み立てで運用したい人はSBI証券一択ですね。 | 米国ETFを自動積み立てしたい人 |
auカブコム証券 | auカブコム証券の定める90本のETF銘柄が手数料無料です。楽天証券より数は劣りますが、正直人気どころは押さえてるのであまり差はありません。個人的にはauカブコム証券の方が注文方式が豊富で玄人向けな印象。上手く組めば自動売買も可能なので、日中忙しい方にオススメですね。 | いろんな売買方法を扱って自動注文したい人 |
ETFは人気のある金融商品ですし、実は初心者でもかなり取っつきやすいです。これから投資始めようって人は、ぜひ選択肢の一つとして考えてみてください。
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