投資信託において、必ず目を通さないといけないものの1つに目論見書があります。
目論見書は、一見とっつきにくく見てないという人も多いかもしれませんが、読まずに投資するというのはかなり危険です。
そこでこの記事では、目論見書の見方について解説していきます。
見るべきポイントは5か所だけなので、慣れれば5~10分程度で読みこなせるようになりますよ。実際僕自身、それぐらいの時間で読んで投資しています。
投資信託の目論見書とは
目論見書とは、投資信託の性質や運用方針、過去の成績などをまとめた資料で、いわば投資信託のマニュアルみたいなものです。
基本的に運用会社が発行しており、投資家に交付することが義務付けられています。
投資家はこの目論見書と新聞やニュースなどの情報とを照らし合わせながら投資判断を下します。
投資信託の目論見書で確認すべき5つのポイント
結論から言うと、目論見書で確認すべきポイントは以下の5つ。
どの項目も商品を選ぶ際に必ず見るべきポイントで、これらの内容を他の商品と比較するのが大事です。
では、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
投資信託の目論見書で確認すべきポイント①|商品分類と属性区分
商品分類と属性区分では、投資信託の性質について概略を把握することができます。
例えばですが、
などを把握することができます。
自分の投資方針によって「株式と債券のどちらに投資したいのか」や「国内と海外のどちらに投資したいか」などを決めているはずなので、買いたいファンドがどういった性質を持つか確認する際にチェックします。
ただし、ここでわかることは投資信託の”性質”であり、細かい運用方針などは分かりません。
ですので、後続部分で詳しく知りたいことをチェックしていく必要があります。
ここしか確認しない人もいるみたいだけど、僕はしっかり後の部分も読み込んだ方がいいと思うよ。
結局ここでわかるのは大雑把な話だけだからね。
投資信託の目論見書で確認すべきポイント②|ファンドの目的・特色
ファンドの目的・特色では、投資信託の運用方針について、詳細を確認することができます。
例えば、
などが分かります。
自分の投資方針にマッチした投資信託なのかを判断する際はここを分析します。
例えば、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の目論見書を見ていきましょう。
目論見書を上から見ていくと分かりますが、何に投資するのかは下記で確認できますね。
また、分配金の方針を探してみると、下記で確認することができますね。
こういった具合で各項目を上から見ていって、自分の投資方針に合っているかをチェックすることが大事です。
投資信託の目論見書で確認すべきポイント③|投資リスク
投資リスクでは、ファンドの運用成績が下がる要因になるリスクについて解説しています。
例えば、
などが記載されています。
例えば、どんなリスクがあるのかという点では、以下のような具合ですね。
また、保有している資産クラスの過去の暴騰率なんかも具体的に記載されています。
私たち投資家は、自分の経済状況的にこのリスクを許容できるかということを確認しておくのが重要です。
例えば、ファンドの年間暴騰率を見ると、最大で30%ぐらいは落ち込む可能性は高そうです。
であれば、100万円投資していた場合、瞬間的に70万円まで下がってしまう可能性もあるわけです。
そのとき狼狽えずに落ち着いて投資を続けられるのかなど、一度考えてみるのがおすすめですよ。
2020年のコロナショックでは、「自分は暴落しても慌てない」と思っていた人に限って狼狽売りをしていたから、本当に大丈夫かはしっかり考えてみてね。
投資信託の目論見書で確認すべきポイント④|運用実績
運用実績では、ファンドの過去の運用実績が記載されています。
例えば、
などです。
具体的に見てみましょう。
「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」では、「基準価額、純資産の推移」や「分配の推移」なら以下のように記載されています。
見ての通り、過去数年間の推移をグラフだったり、表で記載しています。
ここを見ることで、これからの運用や分配金の期待値を推測することができます。
あくまでも推測と言う点には留意する必要はありますが、傾向やトレンドはつかむことができます。
判断材料としては優秀なので、しっかりチェックしておきましょう。
ちなみに、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」では、過去の分配金がずっと0円になっているよね。
ということは、分配金の扱いを「分配型」に設定しても分配金は貰えなかったということ。
こういうことは、目論見書をしっかり読んでおかないと分からないからこそ目を通しておくのが大事なんだ。
投資信託の目論見書で確認すべきポイント⑤|手数料・税金
手数料・税金では、投資信託でかかる諸々の費用が分かります。
例えば、
などなどです。
個人的にですが、投資信託の運用では「手数料」が極めて重要なファクターです。
ですので、購入手数料、信託報酬、信託財産留保額はしっかり確認しておいて下さい。
ちなみに、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」では、手数料は以下のように記載されています。
購入手数料と信託財産留保額が不要であることと、信託報酬が0.0968%かかることが分かると思います。
優秀ですね。
僕の場合は「購入手数料」「信託報酬」が1%を超えてくると、ちょっと要注意かな~と思いながらチェックしてます。
手数料は自分の運用目標を妨げる要因の1つになり得るので、しっかり確認しておきましょう。
信託報酬に関して補足だけど、より正確には、一緒に記載されている実質信託報酬率0.08792%を足し合わせたコスト、つまり、約0.18%程度の信託報酬がかかるよ。いわゆる隠れコストと呼ばれるものだね。
ただ、ここでは目論見書の見方をまずはマスターしてほしいから、簡便に説明させてね。
まとめ|投資信託の目論見書の見方を解説【見るべきポイントは5つ】
今回は目論見書の見方について解説していきました。
目論見書は投資信託において必ずチェックすべきものなのでしっかり目を通しておきましょう。
では、簡単に今回の内容のまとめです。
正直、見るのは投資信託を買うときに5~10分だけです。
逆にそれさえすれば投資信託をうまく運用できる可能性も上がってくるので、頑張ってください。
今回はこれでおしまい!お疲れさまでした!
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