つみたてNISAを始めたけど、どの銘柄を買えばいいんだ?
こんな疑問を解決します。
つみたてNISAは、ある程度商品数が絞られていますが、それでも約180種類の商品の中から選んでいく必要があるので、慣れてないと戸惑ってしまうかもしれません。
そこでこの記事では、つみたてNISAの銘柄(商品)選びについて解説していきます。
後半ではおすすめ銘柄も紹介するので、困ったら参考にしてください。
- つみたてNISAの銘柄選びで押さえるべき6つのポイント
- つみたてNISAでおすすめの銘柄(商品)
つみたてNISAの銘柄選びで押さえるべき6つのポイント
つみたてNISAの銘柄選びでは、以下の6つのポイントを押さえましょう。
- インデックスファンドを選ぶ
- 信託報酬が低いものを選ぶ
- 分配金の扱いが「再投資型」「無分配型」のものを選ぶ
- 資産クラスが全世界、先進国、新興国のものを選ぶ
- 過去の運用実績が良好なものを選ぶ
- 純資産残高が50億円以上のものを選ぶ
基本的には、普段の投資信託と選び方は変わりません。
なので、以前紹介した投資信託の選び方を守ってもらえればOKです。
今回は、つみたてNISAという視点で見たときに特化してポイントを記載させてもらっています。
例えば、普段は償還日に十分な期間があることを確認すべきなんだけど、つみたてNISAの投資対象は「償還日が十分であること」が前提だから、選ぶときに見るべきポイントとしては挙げてないよ!
つみたてNISAの銘柄選びで押さえるべきポイント①|インデックスファンドを選ぶ
投資信託にはインデックスファンドとアクティブファンドの2種類がありますが、基本的にインデックスファンドを選ぶようにしましょう。
- インデックスファンド:『日経平均株価』や『NYダウ』などの株式指標と、同じような値動きをするように作られた投資信託。機械的に投資するので運用コストが低め。
- アクティブファンド:ファンドマネージャーの指揮により市場の平均以上の利益を出そうとする投資信託。人が投資するので人件費分コストが高め。
アクティブファンドは人が運用するため、人件費がかかり、信託報酬が高いことが多いです。
また、一般的にアクティブファンドよりもインデックスファンドの方が好成績で運用できているとされており、トータルリターンの観点でもインデックスファンドの方が優秀です。
インデックスファンドの方がおすすめな理由については「【投資初心者】インデックスファンドがおすすめされる理由を解説【アクティブファンドよりもインデックスファンド】」で詳しく解説しているので、こちらもあわせて読んでみてください。
つみたてNISAの銘柄選びで押さえるべきポイント②|信託報酬が低いものを選ぶ
信託報酬は低いものを選びましょう。
つみたてNISAで扱う商品である投資信託は年利5%とかで運用するものです。
信託報酬が高いもの、例えば、信託報酬3%とかのものを運用していては、差し引きで年利2%とかにしかなりません。
ですので、高くても1%以内のものを買いましょう。個人的には0.5%前後がおすすめです。
つみたてNISAの銘柄選びで押さえるべきポイント③|分配金の扱いが「再投資型」「無分配型」のものを選ぶ
つみたてNISAは長期運用を前提とした制度です。
そのため、複利効果を最大化して運用することが必要不可欠です。
なので、分配金の扱いが「再投資型」「無分配型」のものを選ぶようにしましょう。
「再投資型」と「無分配型」では、得られた分配金をさらに投資に回すので、効率よく利益を出すことが可能です。
分配金の扱いとして他に「受取型」というのもありますが、こちらは分配金を再投資に回さず、私たちに渡して終わりです。
つみたてNISAでは、複利効果を最大化する必要があるので、ぜひ「再投資型」か「無分配型」の商品を選ぶように心がけてください。
とはいえ、つみたてNISAの投資対象のほとんどは、分配金0円だから気にしなくてもOKだよ。
また、つみたてNISAの投資枠を超えてしまうのを心配している人は、受取型という選択もあるね!
なお、複利効果について知らない方は、「単利と複利の違いとは?メリット・デメリットは?【効率よく稼ぐには「複利」で運用しよう】」で解説してるので、参考にしてください。
つみたてNISAの銘柄選びで押さえるべきポイント④|資産クラスが全世界株式、先進国株式、新興国株式のものを選ぶ
資産クラスは全世界、先進国、新興国がおすすめです。
というのも、今後長期にわたっての成長を期待しやすいからです。
つみたてNISAでは、非課税期間を最大限に活用しようとすると、最大20年間の間、銘柄を保有し続けることになります。
そのため、少なくとも20年は成長し続ける銘柄を買わなければいけません。
そうなったときに、つみたてNISAで買える資産クラスの中では、全世界、先進国、新興国が20年後も成長していると期待できるのでおすすめしています。
つみたてNISAだと、他には「日本株式」「バランス型」などもあるのですが、あまりおすすめしていません。
なぜ、全世界株式、先進国株式、新興国株式は成長し続けるのか?
理由としては、人口の増加が期待できるからです。
当たり前の話ですが、人口が多ければ、その分消費も活発になり、経済も大きく成長します。
一般に株価の上下は40台半ばの人口に比例するとされており、統計的にもこれは正しいデータです。
ですので、これから20年にわたって人口増加が期待できる全世界株式、先進国株式、新興国株式がおすすめできるというわけですね。
なお、人口増加と経済の話を詳しく知りたい方は、ピケティの『21世紀の資本』がおすすめです。
資本と経済成長について、論理的に理解することができますよ。
なぜ、日本株式とバランス型はおすすめできないか?
日本株式については、すでに答えは出ていますが、人口増加が期待できないからです。
今後、人口減少すると言われている中、日本株式を投資対象とした銘柄を買うのは、ちょっとリスク高いのでは?と思います。
ただし、リスク分散という観点で持つのはアリなので、日本株式を持つのであれば、投資資金の10%程度を目安にするのが良いと思います。
また、バランス型がおすすめできない理由ですが、バランス型には債券が含まれているからです。
ちょっと意外に思われるかもしれませんが、長期投資においては、統計的に債権よりも株の方が低リスク高リターンとされています。
なので、つみたてNISAで債権を投資対象に含むバランス型は選ぶべきでないというのが個人的な意見です。
長期投資における株の優位性については、ジェレミー・シーゲルの『株式投資の未来』が分かりやすく書いてるから気になった人はぜひ読んでみてね。
つみたてNISAの銘柄選びで押さえるべきポイント⑤|過去の運用実績が良好なものを選ぶ
過去の運用実績というのは、所詮は統計値でしかありませんが、見ておく方がベターです。
やはりこれまで安定して運用できていた投資信託は、これから先も安定して運用できる可能性が高いためですね。
なので、過去5年~10年ぐらいの運用実績は見ておくようにしましょう。
出来れば、今が上昇トレンドに入っている銘柄がベストですね。
上昇トレンドっていうのはなんだ?
値動きの傾向のことだね。
本当は厳密に見極める方法もあるけど、つみたてNISAでそこまで見る必要はないから、ある程度右肩上がりだなと思ったら、上昇トレンドとしてOKだよ!
つみたてNISAの銘柄選びで押さえるべきポイント⑥|純資産残高が50億円以上のものを選ぶ
純資産残高は、投資資産の運用資金の合計を表します。
基本的にお金があればあるほど、安定した運用ができるので、ある程度の純資産残高があることが望ましいとされています。
純資産残高の目安は50億円ぐらいですね。
また、純資産残高が右肩上がりに増えているのも、見ておきたいポイントです。
純資産残高が増える要因としては、「運用が上手くいっている」「銘柄購入者が増えた」「購入者がさらに積み立てた」などがありますが、どれも運用においてプラスの要素です。
しかも、運用が上手くいけば信託報酬が下がるなんてこともあったりします。
たとえば、以下のグラフは『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』の純資産総額と信託報酬率の推移を表していますが、純資産総額が増えるにつれて、信託報酬率も下がっていることが分かるかと思います。
信託報酬は運用会社の利益なわけですが、運用が上手くいけば「利益をより還元できるように」信託報酬率を下げてくれるわけですね。
信託報酬を段階的に下げる仕組みを「受益者還元型信託報酬率」と呼ぶよ。こういった投資信託は、良心的なものが多いから、ぜひ活用しよう。
つみたてNISAでおすすめの銘柄(商品)
では、ここからはつみたてNISAでおすすめの銘柄を紹介していきます。
これを買えば確実に儲かるというのを確約するものではありませんが、ここまでで説明してきた観点をクリアするものを選んだので、ぜひ参考にしてください。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
つみたてNISAでおすすめの銘柄①|eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
銘柄①は『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』ですね。
困ったらこれと言っても過言ではないほど、おすすめな銘柄です。
資産クラスが全世界株式の投資信託の中では、信託報酬の低さが第2位でかなり低コストでの運用が可能です。
また、純資産総額も上昇し続けており、手堅い投資信託だと思います。
つみたてNISAでおすすめの銘柄②|eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
二つ目の銘柄も、eMAXISシリーズである『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』です。
ポイントは日本以外であること。
銘柄①で紹介した『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』では、日本の株式も含まれていますが、『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』では日本は含まれていないので、日本株に投資したくないという人はこちらをおすすめします。
もちろん、両方購入するというのもOKです。
こちらも純資産総額は伸び続けているので、安心してくださいね。
つみたてNISAでおすすめの銘柄③|eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
3つ目は『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』です。
え、3つともeMAXISシリーズなのかよ?
決して手抜きしたつもりもないんだけど、それだけ優秀なんだよ。
実際、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2019」でもeMAXISシリーズは上位を占めてるんだ。
特徴としては、米国株に特化しているということ。
分散投資という観点では、他の2つには劣りますが、米国の経済成長を考えるとやはりおすすめです。
S&P 500という米国株式の指標に連動するように運用のが特徴ですが、このS&P 500という指標は投資の神様と呼ばれるウォーレンバフェット氏が奥さんに「現金の90%をS&P500で運用するように」と告げていることでも有名です。
米国株式に集中投資する似たような銘柄に『楽天・全米株式インデックス・ファンド』がありますが、このファンドとは連動対象が大きく異なります。
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』はCRSPと呼ばれる指数に連動していて、アメリカの約4,000銘柄に投資しています。
一方、『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』はS&P500に連動していて、アメリカの500銘柄に投資しています。
そのため、ある程度安定した運用が可能なのが持ち味と言えるでしょう。
なお、これも信託報酬が低く、純資産総額も十分にあるので安心してください。
まとめ:つみたてNISAの銘柄の選び方を解説【おすすめ商品も紹介】
今回はつみたてNISAの銘柄選びのポイントの解説とおすすめ商品の紹介をしました。
- インデックスファンドを選ぶ
- 信託報酬が低いものを選ぶ
- 分配金の扱いが「再投資型」「無分配型」のものを選ぶ
- 資産クラスが全世界、先進国、新興国のものを選ぶ
- 過去の運用実績が良好なものを選ぶ
- 純資産残高が50億円以上のものを選ぶ
上記のルールさえ守っておけばOKですので、ぜひ銘柄選びの際は参考にしてください。
なお、銘柄選びが難しくてつみたてNISAを諦めてしまう人も多いですが、かなりもったいないです。
選ぶための基準さえ理解できればカンタンなので、あきらめずに頑張りましょう!
分からない部分があれば、コメントでも問い合わせフォームでも受け付けますので!
今回はこれでおしまい!お疲れさまでした!
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