皆さん、株式投資の銘柄選定の際にどういう項目をチェックしていますか?
投資手法にもよるので一概にコレを見ておけばいいという観点はないのですが、他の投資家がどういう風に銘柄をチェックしているのかがわかると為になることもあるはずです。
そこで今回は僕が銘柄選定する際に最低限チェックしているポイントについて紹介していきます。
【前提】想定している投資手法について
まず前置きですが、今回のチェックポイントは長期投資を前提とした銘柄選定のポイントです。
短期投資ではチャートを優先すべきですので、今回紹介するポイントは見ても意味がありません。
また、企業の成長性に比重を置いており、グロース株がターゲットです。(そもそも僕がグロース株メインの投資家なので。。。)
バリュー株投資をする場合も今回紹介するポイントは十分使えるものではありますが、バリュー株をメインにしたいのであれば、企業の成長性よりも株式の購入価格にもっとこだわるべきです。
極端な話をすれば、企業の実態よりも株価が割安であればバリュー株投資としては成立し得ますので。
銘柄分析でチェックしている5つのポイント
以下5点が確認すべきポイントです。
銘柄チェックポイント①|長期的な株価推移(10年分くらい)
長期投資前提なので、長期でのトレンドを把握するために10年くらいの株価推移は基本的にチェックします。
このとき、5~10年の期間で株価がしっかり伸びていることが望ましいです。
長期的に伸びている銘柄であれば、短期的に下落したとしても安心して持ち続けることができますし、多少買うタイミングを失敗したとしても数年持つことでリカバリーできる可能性が高いです。
僕はInvesting.comで銘柄検索して確認しますが、Google検索で日本株なら「銘柄名 株価」、国外株なら「シンボル名 stock」とかで調べてもOKです。
Investing.comなら←みたいな感じで見れます。
Google検索なら←のような感じです。
例に挙げたAppleのように10年以上にわたって右肩上がりの銘柄が望ましいです。
銘柄チェックポイント②|指数を長期的に上回っているか?
2つ目のチェックポイントは「指数を長期的に上回っているか?」ということです。
日本株であれば日経平均と比較、米国株であればS&P500と比べて確認しています。
指数と比較している理由は、指数を上回ったリターンが欲しいというのも勿論ありますが、どちらかと言えば「指数を長期的に上回る=企業としての強みが何かしらある」と判断するためにチェックしています。
ツールはInvesting.comを使ってやってますが、Portfolio Visualizerとかyahoo!finenceでも何でも良いです。
AppleはS&P500(紫の線)を大幅に上回り続けていますね。同じような業種の企業と比べてAppleに何かしらの強みがないとこうはならないです。
銘柄チェックポイント③|直近の決算でEPS、売上高がコンセンサス予想を上回っているか?
EPS、売上高がコンセンサス予想を上回っていることも大事です。
コンセンサス予想とは複数の市場アナリストの業績予想の平均値を指します。
ここでのポイントは 「EPS、売上高が単にいい数字だった」ではなく、「コンセンサス予想を上回っている」ということです。
はっきり言えば、単に売上が良い会社なんて星の数ほどあります。ですが、単に成績の良い会社=株価が伸びる会社ではないのです。
例えば、高い金を払ってご飯を食べてそれが美味しかったとしても、まぁ普通のことじゃないですか。
でも、ボロボロの店構えで値段も安くて期待せずに入った店がめちゃくちゃ美味しかったらどうですか?また食べに行って、応援したくなりませんか?
株もそれと同じで、企業というのは投資家の期待を背負っています。
そもそも株価というのは未来を織り込んだ値であり、現在の株価は将来の予想が反映されているものです。(上の飲食店の例であれば、高いお店に入った時点で「きっと美味しいだろう」という期待が織り込まれている)
そのため、企業の業績が予想を上回らなければ投資家は「この企業には現在の株価ほどの価値はない」と判断します。つまり、株価は下落するわけです。
「Earnings Per Share」の略で、一株あたりの利益のこと。当期純利益を発行済株式総数で割って計算し、株主が投資した株1株当たりでどれぐらい会社が利益を出したかを意味します。つまり、高い方が良いわけです。
調べ方ですが、Investing.comであれば「会計報告>利益」で以下の画像のように表示して見れます。
直近5回にわたって、EPSも売り上げもコンセンサス予想を上回り続けていることがわかりますね。来期(11月)の予想も確認できます。
ただ、上のやり方は簡易的にチェックするための方法です。今回の銘柄選定で実際に株式を買った場合は定点観測し続けていく必要があります。
このときInvesting.comだと簡易的にしかチェックできない、かつ通年の会社ガイダンスはわからないので、株式保有後はYahoo!Finenceを使うことが多いです。
株式購入後の決算の観測方法はまた別の記事にて紹介いたしますので、ぜひそちらも参考にしてみてください。
>>ただいま準備中です。
銘柄チェックポイント④|売上、利益、CFが成長しているか?
企業は利益を出してなんぼなので、売上、利益、CFの成長率は重要です。
チェックポイント③では「投資家の期待値を上回っているか(つまり、株価が伸びそうか?)」を確認しましたが、④では「企業がお金を稼ぐパワー、地力」を確認します。
(EPSと売上高でコンセンサス予想を上回っているような企業は売上、利益、CFも大抵伸びてますが念のためです)
データが多いので僕はMorningStarを使って調査しています。Revenue(売上)、Operating Income(営業利益)、Free Cash Flow(フリーCF)を見ます。
上図をみると、売り上げは2016年と2017年は少し落ちましたが、着実に伸ばしてきています。また、利益についても同じように伸ばせているので、売上伸ばしたのに利益を出せないみたいなことにはなってなさそうです。
CFについても、しっかり伸ばせているのが見て取れます。(フリーCFは新規事業の設備投資や株主への配当に繋がるため重要視しています)
ただ、ちょっと見づらいんですよね。。。
MorningStarは見づらいから嫌だという方は、マネックス証券の銘柄スカウターがおすすめです。グラフ化してくれるので見やすいです。実際僕も普段は銘柄スカウターを使ってます。
ただし、銘柄スカウターを使うにはマネックス証券の口座開設が必要です。まだ持ってない人はこの機会にぜひどうぞ。
銘柄チェックポイント⑤|PERの推移
株価推移や売上などで投資価値のある企業だと分かったとしても、今のタイミングが買い時かは別の話です。
なので、今の株価が割安であるかを確認する必要があります。
割安度合いを調べるにはいろんな指標がありますが、個人的によく好んで使うのはPER(株価収益率)とDCF法による企業価値推定です。
PERについて
PERは株価をEPSで割った値で、株価収益率とも呼ばれます。
もう少しわかりやすく言うと「今の株価が”一株当たりの利益”の何倍か?」を意味し、EPSから見て株価が割安か割高かを判断するのに使われます。
ただ、セクターや業務形態が変わると適切なPERの値というのは変わってきますので、過去のPER推移を確認することが多いです。
ツールはmacrotrendsのStock Researchを使っています。
ティッカーや企業名で検索して、Price RatioのタグにPE Ratio(PER)の項目があるのでそれを見てください。
Appleであれば下のグラフを描いており、2010年以降では現在は比較的割高な傾向にあるように見えます。
DCF法による企業価値推定
DCF法を使えば、今後数年のフリーキャッシュフローの値から企業価値を推定することができます。
詳細は長くなってしまうので、株式会社STRコンサルティングさんの解説記事を見て下さい。(→リンク)
あくまでも推定値であるため、かなりの誤差が出ますし参考扱いの値です。
ただ、EPSと違って
- 将来の期待を加味した値として見積れる
- 具体的な値として直感的に判断しやすい
という理由から、合わせて見ることで高値掴みを防ぐ効果があります。
企業価値の推定方法はかなり煩雑なのですが、素晴らしいことに今の世の中にはツールがあります。
GuruFocusであれば、ティッカーを検索してsummaryのタブを開けば見つかるはずです。
Appleのページを見てみると以下のような感じです。
Appleは今はかなり割高な位置にありますね。危ないところでした。(青線が株価推移、黒線が適正価格、赤のエリアは割高圏、緑のエリアは割安圏です)
FinBoxでも確認しましたが、こちらも割高であることを示しています。(黒のボックスが現在の株価、赤のボックスが適正価格を示しています)
まとめ|【株式投資】銘柄選定の際に必ずチェックしている5つのポイント
今回は株式投資で銘柄選定のときにチェックするポイントを紹介していきました。
本当はほかにも見ているポイントはあるのですが、特に重要な5点をピックアップして紹介しています。
今後、株式市場の状況次第では見る項目は変わってくると思いますが、ひとまず現在はこんな感じでチェックしております。
良かったら参考にしてみてください。
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