株式累積投資(るいとう)とは、選んだ1つの銘柄を毎月一定の金額で継続して積立投資をしていく投資方法です。
普通、国内の株を購入する場合は、100株や1,000株など1単元という単位ごとに取引することになっています。
そのため、1株あたりの株価が高い銘柄を購入しようとすると、株価によっては数百万円以上の資金が必要になります。
しかし、そんなにたくさんの投資資金はもってないですよね?
そんなとき、株式累積投資(るいとう)を利用することで、高額な株も少額から購入することが可能になります。
この記事では、株式累積投資(るいとう)について、その概要やメリット、デメリットについて解説していきます。
- 株式累積投資(るいとう)の概要
- 株式累積投資(るいとう)のメリット・デメリット
- 株式累積投資(るいとう)が向いている人
株式累積投資とは
株式累積投資とは、選んだ1つの銘柄を毎月一定の金額で継続して積立投資をしていく投資方法です。
略して、「るいとう」と呼ばれることもあります。
一般的に株式を購入する場合は株数単位となりますが、株式累積投資だと金額単位の購入かつ少額投資が可能な点が特徴の1つです。
例えば、株価が1,000円のとある銘柄Aを購入する場合、100株単位で購入するとなると最低でも10万円の資金が必要です。
しかし、株式累積投資では、「銘柄Aについて毎月1万円を積み立てる」といった投資をすることができます。
ですので、比較的少額で株式投資を始められることがメリットの1つと言えるでしょう。
なお、保有株数に応じて配当金も優待も受けられるので、配当・優待狙いの方も安心してください。
今は優待を受けられるだけの資金を持っていない銘柄についても、毎月少しずつ積み立てて、1年後ぐらいに優待を受けられる株数を目指すなどの作戦も可能ですよ。
株式累積投資(るいとう)のメリット
株式累積投資のメリットは主に以下の3つです。
- 少額投資ができる
- 金額指定で株を購入できる
- ドルコスト平均法で投資ができる
少額投資ができる
累積株式投資では、毎月一定の金額を積み立てていくので、銘柄の株価に左右されずに、自分のペースでの少額投資が可能です。
一般に株を購入するには、株価×100株のお金が必要になりますが、人気の株だと多くの資金が必要で購入できないということもしばしばです。
しかし、株式累積投資であれば、人気株であっても分割して積み立てられるので、少額の資金でも投資が可能になるわけですね。
この前「任天堂」を買おうとしたら、600万円も必要で諦めたが、これなら買えそうだ!
金額指定で株が購入できる
普通、株を購入する場合は、その時点の株価で必要資金が決まります。
ですので、タイミングによっては必要資金が変わるため、毎月一定金額で積み立てるのはあまり向いていません。
一方、株式累積投資を活用すれば、毎月1万円ずつなどの金額指定で株を買うことが可能です。
ですので、毎月の投資金額を決めて資産運用したい人にはメリットと言えるでしょう。
ドルコスト平均法で投資ができる
ドルコスト平均法とは、価格が変動する金融商品を常に一定の金額で、かつ時間を分散して定期的に買い続ける手法です。
毎月一定金額で購入することで、価格が高いときには購入口数が少なく、価格が安いときには多くの口数を購入することになります。
そのため、1単位あたりの平均購入金額を結果的に低くすることができます。
株式累投投資は毎月一定金額で株を購入することになるので、必然的にドルコスト平均法で購入することになり、リスク分散ができるのが強みの1つと言えます。
株式累積投資(るいとう)のデメリット
株式累積投資のデメリットは主に以下の3つです。
- 株式累積投資ができる証券会社がほとんどない
- 手数料が割高
- 投資対象が限られる
- 名義を移さないと優待は受けられない
- 売買タイミングが決められない
株式累積投資ができる証券会社がほとんどない
株式累積投資は、基本的に大手証券会社の窓口取引でしかできません。
最近主流のネット証券は取り扱っていないのです。
そのため、株式累積投資をする場合は、「窓口に行く」か「コールセンターに電話する」などをしないといけないので、手間がかかってしまうことは注意しておきましょう。
どの証券会社がるいとうできるんだ?
今のところ、大手は野村證券、大和証券、SMBC日興証券だね!
ただ、あとで解説するけど、auカブコム証券で「プレミアム積立」って名前で、るいとうと同じ仕組みがあるよ。
手数料が割高
株式累積投資は窓口で取引するため、手数料が高めの設定になっています。
以下に、大手各社の手数料をまとめました。
証券会社名 | 口座管理手数料 | 売買手数料 (100万円まで) |
---|---|---|
野村証券 | 無料 | 1.19% |
大和証券 | 3240円 | 1.265% |
SMBC日興証券 | 無料 | 1.265% |
例えば、野村證券で株式累積投資をするとしましょう。
売買手数料は1.19%なので、毎月5万円ずつ積み立てた場合、手数料として1月当たり950円かかります。
年間に換算すれば、11,400円もの手数料です。
もしSBI証券で60万円分の株を購入した場合、プランにもよりますが手数料は535円とかなり安いです。
ですので、同じ株を同じだけ買うにしても株式累積投資は割高になってしまうことは注意しておきましょう。
投資対象が限られる
株式累積投資では、購入できる銘柄が限られます。
例えば、大和証券では約1,800種類以上の中から購入したい株を決定することができますが、東証に上場している企業が約3,600社なので、約半数の株しかるいとうでは購入できないことになります。
ですので、株式累積投資を始める前には、自分の買いたい銘柄が対象になっているかを確認しておきましょう。
名義を移さないと優待は受けられない
株式累積投資で購入した株の名義は購入者ではなく証券会社です。
そのため、株主優待を受けられるだけの口数を購入しても、名義を証券会社から自分に移さない限りは優待を受けることはできません。
優待条件を満たして、これで優待を受けられると安心していたら、名義を移してなくて受けられなかったなんてこともあるので気を付けてくださいね。
売買タイミングが決められない
累積株式投資は毎月決められた日に株を買う仕組みなので当たり前ですが、自分で売買タイミングを決めることはできません。
ですので、「今割安だから買いたい!」となっても、チャンスを逃す可能性があることは注意しましょう。
ただ、るいとうはドルコスト平均法をベースとした投資手法なので、売買タイミングを決められないことは大きなデメリットとして捉える必要はないかと思います。
株式累積投資(るいとう)に向いている人の特徴
株式累積投資に向いている人は主に以下のような人です。
- 少額投資をしたい人
- 手を出しにくい高額株を狙っている人
- コツコツ積み立てたい人
少額投資をしたい人
証券会社にもよりますが、毎月1万円ぐらいから始められるので、少額資金でもOKです。
短期的に大きなリターンを目指すことは難しいかもしれませんが、まとまった資金がなくても手軽に始められるのは大きなポイントです。
手を出しにくい高額株を狙っている人
上でも例に挙げましたが、任天堂のような高額株を狙っている人にもおすすめです。
話題になっている株の多くは、100株買おうとすると数十万円は必要になってきます。
しかし、株式累積投資では金額指定で株を買えるので、銘柄の値段はあまり気にせずともOKです。
コツコツ積み立てたい人
株式累積投資はデイトレードのような投資ができない一方で、長期的にコツコツ積み上げるのには向いています。
長期的な値上がりを狙いながら、配当金を細かく貰っていくのが良いでしょう。
なお、少額資金で短期的に利益を出したい方には、ミニ株がオススメです。
ミニ株については、「ミニ株とは?特徴とメリットやデメリットを解説【好きな株を少額資金で買える】」で詳しく解説しておりますので、あわせて読んでみてください。
株式累積投資(るいとう)におすすめの証券会社
個人的におすすめの証券会社は1つで「auカブコム証券」です。
というのも、他の大手証券会社の対面取引は手数料が高すぎます。
一方、「auカブコム証券」は仕組みの名前こそ「プレミアム積立(プチ株)」と異なるものの、株式累積投資と同じことを積立買付手数料0円で出来ます。
積立設定も当然ネットで出来るので、煩わしい対面取引に行く必要もありません。
しかも、積み立てと言いつつ日計り取引も可能なので、株式累積投資のデメリットをほとんどなくした完全上位互換なのです。
500円からでも積立可能なので、貯金感覚で株式投資をしたいという方は、ぜひ「auカブコム証券」で「プレミアム積立(プチ株)」を始めてみてください。
その日買った銘柄をその日のうちに売る、または信用取引などで売った銘柄をその日のうちに買い戻すような取引のこと。
まとめ|株式累積投資(るいとう)とは?メリット・デメリットを解説!
今回は、株式累積投資(るいとう)について解説していきました。
株式累積投資(るいとう)とは、一言でいえば、選んだ1つの銘柄を毎月一定の金額で継続して積立投資をしていく投資方法です。
メリットとして、以下のようなものがあり、特に少額投資できることが大きな特徴です。
- 少額投資ができる
- 金額指定で株を購入できる
- ドルコスト平均法で投資ができる
一方で、「るいとうが可能な証券会社が限られていること」や「手数料が割高になること」などまだまだ課題の多い仕組みでもあります。
とはいえ、株式を長期的にコツコツ積み立てたい人にはオススメできるので、ぜひ検討してみてください。
また、似たような少額投資の仕組みの1つに「ミニ株」もあります。
ミニ株も少額投資に適しており、短期的にも利益を挙げられるので、少額投資をやりたくてこの記事を読んだ方は、「ミニ株とは?特徴とメリットやデメリットを解説【好きな株を少額資金で買える】」もあわせて読んでみることをおすすめします。
ミニ株ならネット証券でできますし、比較的ローコストでの運用も可能ですよ。
今回はこれでおしまい!お疲れさまでした!
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