投資信託は、つみたてNISAなどの制度もあることから人気の金融商品の1つです。
貯金感覚で積立ながら資産運用ができるので、投資に慣れない人にも始めやすいのが特徴となっています。
ただ投資信託にも注意点があり、その一つとして手数料が良く挙げられます。
というのも、投資信託はリターンが小さいため、コスト(手数料)を抑えて運用しなければほとんど利益が出ないなんてこともあるためです。
そこで今回は投資信託の手数料について解説し、その手数料を抑えるため方法や手数料の目安について紹介していきます。
この記事を読めば、すでに運用を始めている人なら投資信託対象を見直せますし、これから始める人は適切な投資信託を選ぶための知識を身に付けることができますよ。
- 投資信託でかかる3つの手数料
- 手数料を安く抑えるコツ
投資信託にかかる手数料は3種類
結論から言うと、投資信託には以下の3種類の手数料がかかります。
- 購入手数料
- 信託報酬
- 信託財産留保額
投資信託でかかる手数料|①購入手数料
「購入手数料」は投資信託を買う際に支払う必要のある手数料です。証券会社や銀行などの販売会社に払います。
これは銀行預金において窓口に支払う手数料みたいなものなので、証券会社の窓口で買う場合よりもネット証券で買う場合の方が安く設定されています。
ちなみに一般に投資信託の購入手数料は、「購入金額の〇〇%」という購入金額に応じた額を払うことが多いです。
投資信託の種類や販売する証券会社(銀行)によっても異なりますが、購入金額の0~3%(+消費税)程度であることが一般的です。
購入手数料は実際にどれくらいかかるのか?
たとえば、価値10万円の金融商品を買う場合を考えてみましょう。
仮に購入手数料が購入金額の2パーセントの投資信託を購入したとすれば、手数料は10万円×0.02%=2,000円となります。
結果、手数料と金融商品自体の金額を合わせて、「10万円+2,000円=10万2千円」が証券会社に支払う金額となるわけです。
買うときに一回だけ払えばOKだからわかりやすいね。
投資信託でかかる手数料|②信託報酬
投資信託にかかる手数料として、購入手数料とは別に「信託報酬」というものがあります。
信託報酬は運用管理費とも呼ばれ、要は運用の手間賃です。
投資信託にかかわる販売会社や運用会社、信託銀行のそれぞれに対して支払います。
一般に、信託報酬は投資信託の規模の大きさを示す「純資産総額」に対して、販売会社の定めた割合の金額が自動的に差し引かれていきます。
投資信託の販売会社の目論見書などには「純資産総額に対して年〇〇%」という形で表記されているかと思うのでチェックしてみてください。
信託報酬は実際にどれくらいかかるのか?
さて、この信託報酬にかかる費用ですが、投資信託の種類や販売会社によって差はありますが、おおむね年0.5~3%(+消費税)くらいかかることが多いです。
たとえば、投資金額が10万円で、信託報酬が2%の投資信託を買う場合を考えてみましょう。
まず信託報酬を計算すると年間で「10万円×2%×10%(消費税)=2,200円」となります。
「それぐらいなら大したことないかも?」と思われるかもしれませんが、仮に運用がうまくいかなかった場合は、信託報酬の分だけ投資金額も目減りしていくので、翌年は少ない運用資金で投資信託を進めることになります。
また、今回は10万円という比較的小規模な投資信託を例にあげましたが、100万円で運用していた場合は22,000円の費用がかかることになり、ちょっとしたおこずかい分は引かれてしまうのです。
信託報酬の1%の差は、案外馬鹿にはならないので注意しておきましょう。
投資信託でかかる手数料|③信託財産留保額
信託財産留保額とは、投資信託を解約するときにペナルティとして支払う手数料です。
他にも「解約時手数料」や「換金手数料」などと呼ばれることもあります。
一般的に基準価額の0.1~0.5%程度で解約代金から天引きされます。
投資信託によっては信託財産留保額を支払わなくてもよいものもありますので、解約するかもしれない状況であればチェックしておきましょう。
手数料を低くするテクニック
ここまで「購入手数料」と「信託報酬」についてみていきましたが、どちらも数千円から数万円も販売会社に支払うことになります。
とはいえ、投資信託で取引するだけで、数千円、数万円も払っていられないと言う方は多いのではないでしょうか?
どうせなら手数料は出来る限り少なくしたいはずです。
ここでは手数料を抑えるテクニックについて解説していきます。
- 手数料無料の投資信託を選ぶ
- 信託報酬の割合の低い投資信託を選ぶ
購入手数料が無料の投資信託を選ぶ
手数料を減らす1つ目の方法として、購入手数料が無料の投資信託を選ぶ方法があります。
購入手数料が無料の投資信託を一般にノーロード投資信託と呼び、近年ではネット証券を中心に、購入手数料をとらない投資信託を取り扱う証券会社が増えています。
また、同じ投資信託でも販売会社によって購入手数料が異なることがあり、実店舗の窓口で取引するよりもネット証券のほうが購入手数料を低いことが多いです。
ですので、購入手数料を抑えたい方はネット証券で投資信託を購入しましょう。
ただ、いくら購入手数料が無料だからといって、不要な投資信託を買うのは意味がないから注意が必要だよ!
本当に必要な投資信託かどうかを考えた上で買うかどうかを判断しよう!
ノーロード投資信託については「ノーロード投資信託とは?メリットやデメリット、仕組みについて解説」で詳しく解説しているので、気になる方は合わせて読んでみてください。
信託報酬の割合の低い投資信託を選ぶ
2つ目の方法は、信託報酬の低い投資信託を選ぶ方法です。
信託報酬は投資信託を保有している間は常に支払わないといけないので、購入手数料よりもコストダウンの効果が高いです。
長期で投資信託を持ち続けたとした場合、信託報酬の割合が高い物だと、その支払い金額はどんどん膨れ上がります。
たとえ年間で数千円だったとしても10年運用すれば数万円だし、運用資金が多ければ信託報酬は数十万以上に膨らむこともあるよ。
では、信託報酬の割合が低い投資信託とは具体的にどういうものがあるのでしょうか?
たとえば、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などの指数に連動する「インデックス型投資信託」は割合が低いことが多くおすすめです。
多くの場合、信託報酬の割合が0.5%前後になります。
投資の神様と言われるウォーレン・バフェット氏も「低コストのインデックスファンドを選びなさい。そうすれば9割の投資家よりも上手くやれるでしょう。」と言っていて、信託報酬の低さが投資信託の選択の一つの指標になっているよ!
購入手数料と信託報酬を安く抑えることが成功のカギ
まとめになりますが、購入手数料と信託報酬の両方をいかに安く抑えられるかが投資信託で成功するためのカギになります。
まずは良さげな投資信託を探してきましょう。
そのあと、購入手数料や信託報酬を並べて比較していきます。
もしその中でどっちも安いものがあれば、それはお値打ちな投資信託かもしれませんよ!
まとめ
今回は投資信託にかかる手数料である「購入手数料」と「信託報酬」について解説していきました。
手数料と聞くと大したことない気がしてしまいますが、積み重なればその金額は馬鹿にはなりません。
投資信託を成功させるポイントの一つには、細かな出費をいかに抑えるかにもあります。
ぜひとも「購入手数料」と「信託報酬」を低く抑えて、効率よく資産運用を行いましょう!
コメント