仕事で日中は忙しいんだけど、株っていつでも取引きできるの?
この記事では上のような疑問にお答えします。
近年、ネット証券が出てきたことで、株取引は誰でも格段にやりやすくなりました。
日本国内で株取引を行うとなると、証券取引所を介して取引することになりますが、この証券取引所が開いているのはおおよそ9:00から15:00までの間だけです。
日中仕事をしながら株式チャートを眺めるわけにもいかないので、専業トレーダーでもなければ、この時間帯に株取引をするのは難しいです。
しかし、近年ではネット証券が出てきたことで、24時間注文を出すことができるようになりました。
今回は、「証券取引所とは?取引はいつでもできるのか?」「日本の4つの取引証券所と株式市場の種類」について解説していきます。
取引時間についてだけ理解できればOKという人は「日本の株式市場の取引時間」の部分だけ読んでくれたらいいよ!
そもそも証券取引所とは?
証券取引所は、株式や債券の売買取引を行うための施設のことを指し、投資家がスムーズに株式売買を行えるように調停する(間を取り持つ)役割を持ちます。
東証の名前で「東京証券取引所」が有名ですが、日本には他にも名古屋や福岡、札幌に証券取引所があります。
とはいえ、ほとんどの株式取引は東京証券取引所で行われており、基本的には証券取引所=東証と考えても問題ありません。
ちなみに、名古屋や福岡、札幌証券取引所に上場している企業もありますが、そのほとんどは東証にも重複して上場しているので、大丈夫です。
また、ちょっとややこしいのですが、単に「株式市場」というと、この「証券取引所」を指すことも多いです。
ですので、株式市場≒証券取引所(東証)ぐらいのイメージで覚えておきましょう。
株は「あいまいな言葉」や「意味が重複した別の言い方がある言葉」が多いから注意しようね。
日本の株式市場の取引時間
取引ができる時間帯は平日の9:00~11:30、12:30~15:00
冒頭でも述べましたが、日本の株式市場で取引が行われる時間は、平日の9:00~11:30(前場)、12:30~15:00(後場)となっています。
この時間帯に株式の売り買いがなされて株価が動きます。
平日の上記時間以外や土曜日、日曜日、祝日および年末年始は取引はお休みです。
なお、「SBI証券」「楽天証券」「松井証券」では、平日の夜に取引ができる『私設取引システム(PTS)』を提供しており、時間外の取引も可能となっています。(2020年4月からはマネックス証券でもPTSが提供される予定です)
このPTSは「Proprietary Trading System」の略で、日本語に訳すと「私設取引システム」と呼ばれます。
読んで字のごとく、私設、つまり民間の証券会社が作った証券取引システムのことを指し、証券取引所の取引時間外でもシステムが稼働している時間であれば、夜間でも取引ができるといった特徴があります。
そのため、「日中は仕事で忙しい方」や「夜間に重大ニュースを知って周りに先駆けて取引したい人」は検討してみてもいいかもしれません。
ちなみに、証券取引所でやる一般的な取引を「取引所取引」、PTSを使った取引を「PTS取引」と呼ぶよ!
時間外でも注文を出すことはできる
ここからはよくある間違いなのですが、株を売買する注文自体はネット証券を使って24時間365日好きな時に出すことができます。
「何を言ってんだ?」となるかもしれませんが、「売買の注文を出すこと」と「実際に売買が行われること」は異なるためです。
たとえば、火曜日の20時に株の買い注文を出したとしましょう。【← 「売買の注文を出すこと」 】
20時なので、当然証券取引所が閉まっている時間です。
そのため、買い注文自体は発注されていますが、実際の売買自体は翌日の水曜日9時に実施されます。【←「実際に売買が行われること」 】
これは、銀行の営業時間外に振り込み処理をしても、翌日に反映される 「ATMでの振り込みシステムと同じ」ですね。
日本国内にある証券取引所
先でもちらっと出てきましたが、日本には東京、名古屋、福岡、札幌の4か所に取引所があります。
これらの4つの取引所は大別して「日本二大証券取引所」と「地方証券取引所」の2つに分けることができます。
「日本二大証券取引所」は、東京証券取引所と名古屋証券取引所のことを指し、「地方証券取引所」は福岡証券取引所と札幌証券取引所のことを指します。
また、各証券取引所には、それぞれに通常市場と新興市場があり、以下のように分類されます(東証のみプロ市場がありますが、プロ向けなので個人投資家は気にしなくてOKです)。
取引所 | 通常市場 | 新興市場 | プロ市場 |
---|---|---|---|
東京証券取引所 | ・東証一部 ・東証二部 | ・マザーズ ・JASDAQ | TOKYO PRO-BOND Market |
名古屋証券取引所 | ・名証一部 ・名証二部 | セントレックス | なし |
福岡証券取引所 | 本則市場 | Q-Board | なし |
札幌証券取引所 | 本則市場 | アンビシャス | なし |
ここからは、これらの取引所について解説していきます。
東京証券取引所
ニュースなんかでも一番よく耳にするのが「東京証券取引所(東証)」です。
東証には4つの「東証一部」「東証二部」「マザーズ」「JASDAQ(スタンダードとグロース)」という市場があり、東証に上場というとこのどれかに上場していることを意味します。
また、経済用語としてよく出てくる「日経平均株価」は、この東証一部に属しているうちの上位225社の平均株価のことを指しており、東証一部の上位225社が「日本の平均」として扱われていることになります。
まさしく日本のメイン市場と思っていただいて差し支えないでしょう。
上でも書いたけど、単に証券取引所というと東京証券取引所を指すよ。
このことからも規模の大きさがうかがえるよね!
名古屋証券取引所
名古屋証券取引所は、東証に並ぶ日本二大証券取引所の1つで、通称「名証」として知られます。
名古屋証券取引所には、主に名古屋周辺に本社がある企業が上場しています。
ただし、残念ながら東証よりは規模が小さく、株式の取引量は少なめです。
名証には「名証一部」「名証二部」「セントレックス」の3つの市場があり、名証に上場というとこのどれかに上場していることを意味します。
福岡証券取引所
福岡証券取引所は地方証券取引所に属し、九州に本社を置いている企業などが上場しています。
福岡証券取引所には「本則市場」と「Q-Board」の2つの市場が存在し、「本則市場」はメイン市場、「Q-Board」は新興企業を対象とした市場として機能しています。
札幌証券取引所
札幌証券取引所も地方証券取引所の1つで、北海道に本社を置く企業が多く上場しています。
札幌証券取引所には「本則市場」と「アンビシャス」の2つの市場が存在し、 「本則市場」はメイン市場、 「アンビシャス」は新興企業を対象とした市場として機能しています。
こんなこと言うとアレだけど、地方証券取引所はあんまり特徴もないんだよね。。。
4つの取引所の違い
それでは4つの証券取引所の違いについて見ていきましょう。
違いは大きく分類すると、「上場企業数」「上場条件」の2つだけです。
(というより、投資をするだけならこれだけ理解しておけば十分!)
上場企業数の違い
一番の違いは上場企業数です。
日本二大証券取引所とは言いましたが、名証に上場している企業は少なく、日本の企業の大部分が東証に上場しています。
地方証券取引所は言わずもがな規模は小さいです。
以下に、それぞれの証券取引所に上場している企業数をまとめてみました(2018年11月)。
取引所 | 上場企業数 |
---|---|
東京証券取引所 | 東証一部:2112社 東証二部:502社 マザーズ:260社 JASDAQ:730社 |
名古屋証券取引所 | 名証一部:194社 名証二部:83社 セントレックス:12社 |
福岡証券取引所 | 108社 |
札幌証券取引所 | 56社 |
全部の上場企業数4057社に対して、3604社(約90%)が東証に上場しているなんて、東証の影響度がいかに大きいか分かるね!
上場条件の違い
次に大きく違うのが、上場条件です。
当然ですが東京証券取引所、中でも東証一部への上場が最も厳しい条件となっています。
すべての市場の条件を把握する意味はあまりないので、今回は一番企業数の多い東証一部について見ていきましょう。
東証一部に上場する条件
主に条件として挙げられる項目は、「株主数」「流通株式数」「時価総額」「純資産」「利益」「設立年数」などで、以下のような基準を満たす必要があります。
※引用:上場審査基準|日本取引所グループ
東証一部と東証二部の上場条件の違い
東証二部に上場する場合の方が、東証一部に上場するよりも条件が緩いです。
そのため、多くの企業はひとまず東証二部に上場して、その後、東証一部上場を狙っていくことになります。
下に一部項目について、東証一部と東証二部の条件を並べてみましたが、時価総額なんかは10倍以上の開きがありますね。
項目 | 東証一部 | 東証二部 |
---|---|---|
株主数 | 2,200人以上 | 800人以上 |
流通株式数 | 2万単位以上 | 4,000単位以上 |
流通株式数比率 | 上場株券等の35%以上 | 上場株券等の30%以上 |
時価総額 | 250億円以上 | 20億円以上 |
東証一部に上場できる企業は全体の約0.04%程度
東証一部に上場する企業の数は2,112社(2018年6月時点)です。
総務省の調査(2016年)によると、日本国内の企業数は約558万社のため、東証一部上場企業の割合は日本の企業全体の約0.04%程度となり、東証一部への上場の難易度は極めて高いと言えるでしょう。
(まぁ、そもそも558万社のうち上場している企業は4057社なので、全体の約0.07%しか存在せず、東証一部でなくとも凄いことなのです)
僕たちが投資できる企業は狭き門を潜り抜けた精鋭たちばかりなんだね。
有名企業でも上場してないってことはあるから、自分が買いたい企業がちゃんと上場しているかは事前に確かめておこう!
まとめ
今回は、「株式投資の取引時間」と「日本の4つの取引証券所と株式市場の種類」について見ていきました。
株式投資をするなら取引時間はもちろんのこと、取引を管理する証券取引所がどういうものなのかは知っておきたいところです。
以下に簡単に今回の内容をまとめたので、ざっくり分かればいいやって人はこれだけ覚えておいてください。
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