投資信託の分配金ってどうやって貰うんだ?
仕組みも良く分からんけど、とりあえず分配金いっぱい貰えるファンドを選べばいいよな?
こんな疑問を解決いたします。
投資信託には、分配金と呼ばれる仕組みがあります。
分配金は投資信託を購入するだけで貰えるので、何となくお得に感じる人も多いかと思います。
そのため、分配金だけを見て、投資信託を選ぶ人も結構います。
しかし、本当にお得に運用できているのでしょうか?
この記事では、投資信託の分配金について、その基礎知識の理解を目的に、仕組み・受け取り方・注意点などを解説していきます。
記事を読めば、「どういう分配金の貰い方がお得なのか」「分配金で注意することは何か」を理解することができるので、投資信託を効率よく運用することができるようになります。
- 分配金とは?
- 投資信託の分配金の出し方
- 投資信託の分配金の受け取り方
- 分配金の出し方、受け取り方を調べる方法
投資信託の分配金とは
投資信託は、投資家から集めたお金でファンドマネージャーが投資を行い、その収益を投資家に還元する金融商品です。
そして、この投資信託の利益の還元方法が分配金と呼ばれるものです。
投資信託の分配金は、決算日後に運用資金の一部から支払われ、決算の収益や持ってるファンドの口数などによってその量が変わります。
投資信託の分配金の出し方
投資信託の分配金は大きく分けて3種類あり、お金の支払い方によって分類することができます。
- タイプ1:一定額で分配する
- タイプ2:運用成果に応じて増減
- タイプ3:一定額+ときどきボーナス
では、それぞれの詳細を見ていきましょう。
投資信託の分配金の種類|タイプ1:一定額で分配する
1つ目は、毎回一定額を分配していくタイプです。
比較的分配金の額は少ないことが多いですが、運用成果の影響を受けないメリットがあります。
投資信託の分配金の種類|タイプ2:運用成果に応じて増減
2つ目は、運用成果に応じて分配額が増減するタイプです。
比較的多めに分配してくれる傾向にありますが、運用成果以上にお金を配って、運用資金を切り崩してしまっているパターンがあるので注意しましょう。
過去にさかのぼって見たときに、分配金なしのタイミングが連続していると黄色信号です。
投資信託の分配金の種類|タイプ3:一定額+ときどきボーナス
3つ目は、先の2つを組み合わせた一定額+ときどきボーナスタイプです。
ボーナス以外の時の金額は比較的少なめですが、ボーナス時は増配されるので、平均で見ればそこそこです。
ただし、運用成果が少ない時はボーナスも少ないので、そこは注意。
投資信託の分配金の出し方の調べ方
なお、分配金の出し方は目論見書で見ることができます。
例えば、「eMAXIS Slim 先進国株式インデックスの目論見書」では下記のように記載されており、「タイプ2:運用成果に応じて増減」であることが分かります。
分配金狙いで投資信託を購入する場合は、目論見書にある分配方針をしっかり確認しておきましょう。
投資信託の分配金の受け取り方
ここまで、「分配金の出し方」について解説しましたが、実は「受け取り方」にも違いがありますので、合わせて押さえておきましょう。
主に以下の3つの受け取り方があります。
- 受取型
- 再投資型
- 無分配型
では、詳細を見ていきましょう。
分配金の受け取り方について|タイプ1:受取型
1つ目は、普通に分配金を受け取る「受取型」です。
たぶん、多くの人がイメージする分配金のイメージはこの「受取型」だと思います。
ポイントは分配金の分だけ純資産が減るため、分配後は基準価額が下がるということ。
受取型は、一定期間ごとにお金を貰えるため楽しく資産運用ができるのですが、投資信託自体の価額が下がってしまうのでそこは注意です。
言ってみれば、運用資金の切り崩しなので、このタイプのファンドは個人的にはおすすめしていません。
なるほど。すぐにでもお金が欲しい奴以外は受取型じゃない方が良さそうだな。
そうだね。長期投資は複利効果を最大限に活用するのが大事だから、基本的に運用資金を切り崩すようなやり方は投資信託に限らずおすすめしないかな。
複利のメリットがイメージできない人は、下記の記事も読んでみてね。
なお、基準価額と分配金の関係性については、「投資信託の値段(基準価額)はどうやって決まるか?変動要因を理解しよう」で解説しているので、よく分からないという方はあわせて読んでみてください。
分配金の受け取り方について|タイプ2:再投資型
2つ目は、再投資型です。
再投資型では、分配金から税金を引いて、税引き後の分配金を再度運用に回します。
ですので、私たち投資家が分配金を受け取ることはありません。
また、再投資に回すといっても、税引き処理などは全て運用会社の中で完結するため、例えば、再投資にあたっての購入手数料などは取られないので安心してください。
1つ目に紹介した受取型と比較して、利益を再投資に回せる分、運用効率の高い複利効果が期待できます。
税金でちょっとは引かれるけど、再投資型は運用効率がいいんだな!
その通り!ちなみに、NISA口座やつみたてNISA口座で運用すれば、税金も引かれないから、もっと効率よく運用することも可能だから覚えておいてね!
分配金の受け取り方について|タイプ3:無分配型
3つ目は無分配型です。
無分配型では、そもそもとして分配金が無いので、税金を引かれることもなく運用を行います。
そのため、再投資型と比較して、税金分だけ効率的に運用できると言えるでしょう。
また、分配がないため、分配金起因での基準価額の変動もありません。
無分配型についても、複利効果が期待できる点がポイントですね。
無分配型が一番効率よく運用できそうだな!
そうだね。運用効率という観点だけで言えば、無分配型>再投資型>>>受取型の順に効率が良いよ!
分配金の受け取り方の調べ方
分配金の受け取り方は、ファンドによって異なるので、購入前に調べておく必要があります。
基本的にどの証券会社でも各ファンドの詳細ページに「分配金コース」「分配金分類」のような項目を設けており、そのファンドで選択可能な受け取り方を示してくれているので、それを確認してください。
楽天証券であれば、各ファンド詳細ページに分配金コースの記載があり、そこでどの形式の受け取り方ができるかが分かります。
以下の例では、受取型と再投資型の二種類が選べることが分かります。
なお、1点だけ注意があります。
例に挙げた「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」がその注意に該当するのですが、再投資型や受取型を選んだとしてあまり意味がない場合があるのです。
え??意味がないってどういうことだ?
下記は目論見書に記載されている運用実績を抜粋した図ですが、分配金の推移を見てください。
あれ?分配金がずっと0円じゃねーか!!
そういうこと!
つまり、分配金が0円だから、”実質的に”無分配型と同じ扱い方というパターンもあるわけだね!
ここでは「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」について紹介しましたが、このほかにも”実質的な無分配型”はたくさんあります。
受取型にして、「毎月お金が入ってくるの楽しみ!!」とか思ってたら、全く分配されないこともあるので気を付けましょう。
(参考)分配金0円なのに、なぜ受け取り方を選ぶのか?
でも、なんで分配金0円なのに受け取り方を選ばなきゃいけないんだ?
それは、ファンドが途中で運用方針を変更する可能性があるからだね!
例えばですが、分配金0円で受取型と再投資型を選べるファンドAがあったとしましょう。
このとき実質的に無分配型なので、一見選ぶ意味が無いように見えますが、ファンド目線では意味があります。
というのも、ファンドは途中で運用方針を変えることもあるからです。
例えば、ファンドAが分配金0円で運用していったが、途中でもっと運用資金を増やしたいとなったときに、一番手っ取り早いのはもっと投資家を集めることです。
その場合、ちゃんとお金を配って受取型に意味を持たせることで、「受取型を運用したい投資家」を集めることができます。
このとき過去に投資されていた分についても受け取り方を指定してもらっていないと困りますよね?
そのため、この「実質的な無分配型」はファンドにとって普通の無分配型よりも柔軟性の高い分配コースの設定なわけですね。
ちなみに分配金の受け取り方は途中で切り替えられる場合もあるよ!
まとめ|投資信託の分配金とは?仕組み、受け取り方や調べ方を解説
今回は投資信託の分配金について、「仕組み」「出し方」「受け取り方」「調べ方」を解説しました。
分配金目当てで投資する方は、この辺の仕組みをしっかり理解しておきましょう。
そうでない方も、調べ方は知っておくべきなので、ぜひ自分が買おうとしているファンドや保有しているファンドがどういう分配金タイプなのかをチェックしてみてください。
以下に簡単にまとめておいたので、おさらいしておきましょう。
- 分配金は、投資信託の利益を投資家に還元するための仕組み。
- 投資信託の分配金の出し方には、
- 一定額で分配する
- 運用成果に応じて増減
- 一定額+ときどきボーナス
- 投資信託の分配金の受け取り方には、
- 受取型
- 再投資型
- 無分配型
- 分配金の出し方、受け取り方を調べるには、目論見書とファンドの詳細ページをチェックしよう。
分かっていなくても投資はできるので、あまり理解していない人も多いですが、分かっていないとリターンの計算を間違えたりする可能性もあります。
ぜひこの機会にしっかり学んでおいてくださいね。
今回はこれでおしまい!お疲れさまでした!
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