- 投資信託で株式型、債券型、バランス型ってあるけど、何が違うの?
- 初心者におすすめなのはどれ?
- どういうときに株式型、債券型、バランス型を買うべき?
この記事では上記のような疑問にお答えします。
投資信託を始めて、商品を選び始めると沢山あって何を選べばいいのか困る方も多いかと思います。
僕も初心者の頃、投資信託を買ったはいいものの「本当にあれを買ってよかったのか?」と後から悩むことが頻繁にありました。
しかし、買った後で後悔するような悩みの大半は、商品知識が身に付けば消える場合がほとんどです。実際、僕も今となっては悩むことはほぼありません。
そこで本記事では、「株式型」「債券型」「バランス型」投資信託の違いを説明し、それぞれどういうときに買うべきなのかを解説します。
記事を読めば、「株式型」「債券型」「バランス型」投資信託の基礎知識がつくので、商品選びに悩まされることが減るはずですよ。
- 債券型、株式型、バランス型の特徴は以下の通り
- 債券型:国内外の国債や地方債、社債などを投資対象としており、リスクが低く元本割れしにくい
- 株式型:国内外の株を投資対象とし、債券型と比較してリスクは高いが、その分大きいリターンも見込める
- バランス型:株や債券、不動産など複数の資産を投資対象としており、資産クラスでのリスク分散ができる
- 一概にどれがおすすめというのはなく、期待リターンと許容リスクから選ぶべき
- とはいえ、個人的にはバランス型は非推奨
投資信託の3つのタイプ|債券型、株式型、バランス型
投資信託には大きく分けて以下の3種類があり、それぞれ違った特徴を持ちます。
- 債券型:国内外の国債や地方債、社債などを投資対象としており、リスクが低く元本割れしにくい
- 株式型:国内外の株を投資対象とし、債券型と比較してリスクは高いが、その分大きいリターンも見込める
- バランス型:株や債券、不動産など複数の資産を投資対象としており、資産クラスでのリスク分散ができる
ざっくり区別すれば上記のようなイメージです。
組み入れ対象の資産クラスの違いに従った分類で、リスクやリターンも組み入れた商品の資産クラスに依存しています。
基本的にリスク・リターンの度合いで言えば株式>債券なので、投資信託も株式型の方がハイリスク・ハイリターンになります。
バランス型は組み入れる金融商品がファンドによって異なるので、ひとまとめに説明するのは難しいです。
とはいえ、この説明だけだと投資判断はできないので、それぞれの細かい違いについて見ていきましょう。
債券型投資信託の特徴、メリット・デメリット
債券型は安全性の高い国債や地方債に投資します。運用期間が終われば、投資先が破たんしない限りは貸し付けたお金は返ってきます。
つまり、市場の暴落などに強く、安定的に運用することが可能です。
ただし、外国債券へ投資するタイプのものは、為替変動リスクがあるため、投資先が破たんしなくとも元本割れする可能性が高いことは理解しておいてください。
債券型投資信託のメリット、デメリットを以下にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
元本割れリスクが小さい 長期的に安定した運用が可能 | 大幅な利益は見込みにくい 外国債券型は為替変動リスクがある |
上記のような特徴を持つため、債券型は元本割れリスクを抑えながら安定的に利益を得たい人に向いています。
正直、リターンが小さい分、ガツンと総資産を増やすことはできません。
しかし、生活防衛資金の保管場所として利用したり、定年退職でお金がたくさんあるけどお金を遊ばせとくのもなぁという方にはオススメです。
株式型投資信託の特徴、メリット・デメリット
株式型は、債券型よりもハイリスク・ハイリターンな投資信託です。
基準価額の値動きが大きいので安定性が低く、元本割れのリスクも高くなりますが、株価が上がれば大きな値上がり益も見込めます。
また、商品の種類も多いので「特定の業界に投資したい」とか「大企業株で安定的に投資したい」など、投資目的に合わせた商品選びができるのも大きなメリットです。
簡単に株式型のメリット、デメリットを以下にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
大きい値上がり益を見込める 商品の種類が多いので目的に合わせて商品を選べる | 元本割れリスクがそれなりに高い 債券型より安定性が低い |
上記のような特徴を持つため、株式型は少ない資金で効率よく運用したい方や大きなリターンが欲しい方に向いています。
特に、まだまだ若くて多少のリスクを取れる方は株式型を検討してみてください。
バランス型投資信託の特徴、メリット・デメリット
バランス型は平たく言えば株式型と債券型の間のようなイメージです。
組み合わせる資産は投資信託によるので一概には言えませんが、株式や債券、不動産などを組み合わせています。
ただし、その組み合わせの比率(バランス)はバラバラなので、購入するバランス型投資信託がどういう資産をどれくらいの割合で組み合わせているかは、目論見書で確認しておきましょう。
ちなみに、株式の比率が上がればハイリスクハイリターンになりますし、債権比率が高ければローリスクローリターンです。
以下のようなイメージです。(実際は不動産とかも組み入れているものが多いので、もう少し複雑ですが)
また、バランス型投資信託のもう1つの特徴として、リバランスを自動でやってくれるというのがあります。
例えば、国内株、外国株、国内債券、外国債券をそれぞれ25%ずつ保有するファンドがあったとします。
そして、もしあるタイミングで国内株の状況が悪く、外国株の調子が良くなり、それぞれの資産配分が20%と30%になってしまったとします。
そうなった場合、国内株と外国株の割合がそれぞれ25%に戻るようにリバランスしてくれます。
このときリバランスの動きとしては「利益の出ている外国株を売って利益確定し、損失の出ている国内株を追加で買う」ということをしています。
これは言い換えれば、値上がりした資産を利益確定し、割安になった資産を買うことになるため、リバランスしない場合よりもパフォーマンスが改善される可能性があります。(あくまでも可能性です)
リバランスというのは良い方に転ぶか悪い方に転ぶかはわかりませんが、手間のかかる作業ではあるので勝手に実施してくれるのはありがたいです。
上記のことを踏まえて、バランス型のメリット、デメリットを以下にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
リスク分散性が高い 自動でリバランスできる | 信託報酬が割高であることが多い 基準価格の変動要因が分かりにくい |
上記のような特徴を持つため、バランス型の投資信託はリスク分散して安定的に投資したい人や自分でリバランスするのが面倒くさいという方に向いています。
どのタイプの投資信託を選べば良いのか?
では、どのようなときに「債券型」「株式型」「バランス型」を選べば良いのでしょうか?
結論から言うと、どれを選ぶべきというのは一概には言えません。
というのも、投資対象というのは、投資信託に限らず「必要なリターン」と「リスクの許容度」から決められるべきだからです。
もし老後資金を確保したくて投資しているなら、少し攻めて「株式型」を選ぶのも良いですし、もしそんなに頑張って投資したくはないけどちょっと挑戦してみたいのであればバランス型が良いかもしれません。
お金を絶対に減らしたくなくて、もっと堅実にやりたいなら債券型が良いかもしれません。
ですが、このような背景は一人一人の状況によって異なります。そのため、自身の状況を鑑みて検討してください。
(参考)やってはいけない投資信託のタイプ選び
投資信託の選び方として、市場動向を見て選ぶというのがありますが、この選び方はちょっと微妙です。例えば、以下のような感じで選ぶやり方です。
- 暴落しそうなとき → 債券型
- 市場が伸びそうなとき → 株式型
- よく分からないとき → バランス型
このような投資信託の選び方を推奨している本やサイトも中にはありますが、僕は懐疑的です。
というのも、そもそも市場動向が読めるのであれば、リアルタイムに取引しづらい投資信託ではなく、個別株やETFを採用すべきです。
また、マーケットの状況を見て、投資タイミングを図りたい気持ちは大変よくわかりますが、止めておきましょう。当たるときもあるかもしれませんが、それを継続的に実施することは無理です。
よって、投資の方針と言うのは「市場動向ではなくあなたの期待リターンやリスク許容度をベースに選ぶべき」なのです。
例えば、老後の備えとして2000万円が絶対に必要な人がいたとして、20歳から毎月5万円貯められるなら年間60万円、40年間あるので2400万円は貯金できるわけです。
であれば、あえてリスクの高い株式型の投資信託をする必要もありません。逆に、毎月3万円しか貯められないけど2000万円必要なら、多少のリスクは許容して株式型を選ぶ必要があるかもしれない。
といった具合に、投資で何を買うかは「あなたの人生設計や経済状況」から選ぶべきであり、市場動向ではないことは肝に銘じておいてください。
ユウシオ個人としてはバランス型は非推奨
自身の状況を鑑みて選べとは言ったのですが、実は僕自身はバランス型は非推奨です。
というのも、バランス型ファンドの多くは以下2つの欠点を抱えているためです。
- 信託報酬が高めに設定されている
- 市場ポートフォリオを反映しない組み入れ比率である
- 不必要に債券や不動産などを組み入れてしまう
信託報酬(コスト)が高めというのは分かりやすい欠点ですが、債券や不動産を不必要に組み入れてしまうのは難しいかもしれませんね。ちょっと考えてみましょう。
基本的に市場というのは、投資家の考えを織り込んだものであるため、各資産クラスの市場に流入する資金量というのは言わば「投資家からの人気度合い」です。
人気な市場は多くのお金が流れるため、市場規模が大きくなります。現実世界で言えば、株式が最も人気なので、株式市場に流れるお金は債券や不動産より多いですよね。
では、ここで考えてみてほしいのですが、どういう資産クラスを買っておけば長期的にもうかる気がしますか?
なんとなく、投資家の人気を集める資産クラスを多く買って、不人気な資産クラスは少なめにしておく方が上手くいく気が直感的にしませんか?
その感覚は合っていて、市場を再現するポートフォリオを作るのが、理論上で最もシャープレシオ(投資効率)が良いとされています。
よって、バランス型のような市場ポートフォリオを反映しない運用をしてしまう投資信託は避けるべきなのです。
以上が、僕がバランス型の投資信託を非推奨としている訳になります。
まとめ|投資信託の株式型と債券型とバランス型の違いを解説【どういうときに買うべき?】
今回は投資信託の株式型と債券型とバランス型の違いについて解説していきました。
以下は記事のまとめです。
簡単に振り返ると、これらのタイプの投資信託は以下のような特徴を持ちます。
- 債券型、株式型、バランス型の特徴は以下の通り
- 債券型:国内外の国債や地方債、社債などを投資対象としており、リスクが低く元本割れしにくい
- 株式型:国内外の株を投資対象とし、債券型と比較してリスクは高いが、その分大きいリターンも見込める
- バランス型:株や債券、不動産など複数の資産を投資対象としており、資産クラスでのリスク分散ができる
- 一概にどれがおすすめというのはなく、期待リターンと許容リスクから選ぶべき
- とはいえ、個人的にはバランス型は非推奨
どれも一長一短があり、あなたの人生設計や経済状況によって、買うべきものが変わってきます。
債券型だとあまり大きな利回りは期待できません。ですが、ディフェンシブな運用ができるため、元本割れリスクを低くしたい人にはおすすめです。
株式型であれば、大きく資産を増やせる可能性があるため、多少のリスクを取れる人には良いでしょう。
もちろん株式型と債券型を組み合わせるのもOKです。
このようにどのような投資信託を買うべきかは、人によって異なるため、ぜひご自身の置かれている状況と向き合って投資判断をしていただければと思います。
ちなみに、僕は多くの個人投資家にとって、株式型以外の投資信託は不要だと考えています。その辺りも知っておいて損はないので、良かったら以下の記事も読んでみてください。
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