- コア・サテライト戦略ってどういう投資手法?
- コア・サテライト戦略のメリット、デメリットは?
- どういう資産を持つのがおすすめ?
- 運用上の注意点はある?
この記事では上記のような疑問を解決します。
コア・サテライト戦略は、安定した資産運用を目指すための投資手法の一つです。
ただ、最近は名前だけが独り歩きしている印象を受けたので、記事にしてみました。
僕自身、コア・サテライト戦略をベースに長年やってきましたが、個人投資家の一つの最適解な投資戦略ですので、投資方針に悩んでいる方は是非一読してみてください。
- コア・サテライト戦略は過度なリスクを回避しながらリターンの積極的確保を目指す投資戦略
- コア・サテライト戦略のメリット
- 分散効果を見込みやすい
- 攻めと守りの両方を共存できる
- 相場環境に応じた柔軟な投資が可能
- コア・サテライト戦略のデメリット
- ポートフォリオの管理コストがかかる
- アセットアロケーションの不透明性に繋がる
- ユウシオのおすすめ資産はそれぞれ下の2つ
- コア資産:時価総額加重平均のインデックス型投資信託/ETF [ 対象:米国株式 or 全世界 ]
- サテライト資産:個別株 [ 対象:米国 > 日本 ]
- 運用上のポイントは2つだけ
- 資産を可視化する工夫を行う
- 定期的なリバランスを実施すること
- あとはよくある質問を見てね
コア・サテライト戦略とは?
コア・サテライト戦略とは、安定的に運用する「コア」と、リスクをとって高いリターンを目指すの「サテライト」をバランスよく配置することで、過度なリスクを回避しながらリターンの積極的確保を目指す投資戦略です。
コア・サテライト戦略のイメージ
コア・サテライト戦略では以下のようなイメージで資産を組み合わせます。
安定的に運用するコア資産の基準
コア資産には長期・分散を前提とした資産を選びます。
以下のような特徴を持つものが最適です。
- 価額変動が比較的小さい
- 分散投資を行っている、行いやすい
- 運用・保有コストが低い
具体的な例としては、インデックス型の投資信託やETF、債券、保険などが挙げられます。
リスク資産のうち、7~9割ぐらいを持つのがおすすめです。
積極的にリターンを目指すサテライト資産の基準
サテライト資産には、積極的なリターンの見込める資産を選びます。
以下のような特徴を持つものが最適です。
- 価額変動が比較的大きい
- 高い収益性、成長性が見込める
具体的な例としては、個別株、レバレッジタイプの投資信託やETF、FX、仮想通貨などが挙げられます。
リスク資産のうち、1~3割ぐらいを持つのが良いです。
コア・サテライト戦略のメリット、デメリット
コア・サテライト戦略には以下のようなメリット、デメリットがあります。
- 分散効果を見込みやすい
- 攻めと守りの両方を共存できる
- 相場環境に応じた柔軟な投資が可能
- ポートフォリオの管理コストがかかる
- ポートフォリオの不透明性に繋がる
コア・サテライト戦略のメリット
- 分散効果を見込みやすい
- 攻めと守りの両方を共存できる
- 相場環境に応じた柔軟な投資が可能
メリット①|分散効果を見込みやすい
コア・サテライト戦略のメリットの1つは、分散効果を見込みやすいことです。
ひとつの商品に集中投資する場合、その商品の価値が下がったときに、保有資産全体の価値が大きく下がってしまうことがあります。
しかし、複数の種類の資産を保有する分散投資をしておけば、保有している資産のどれかの価値が下がっても、他の資産を持つことで資産全体としての価値の下落を支えることができます。
「卵を同じカゴに盛るな」という例でよく例えられますが、投資において分散投資というのは極めて重要な考え方です。
分散投資については以下の記事で詳しく解説しているので、興味のある方は合わせて読んでみてください。
ただ、分散効果については1点だけ注意があります。
それは、コア・サテライト戦略を取ったからと言って分散効果を確保できる保証はないということです。そのため、あえて「分散効果が見込める」というメリットの記載にしました。
メリット②|攻めと守りの両方を共存できる
コア・サテライト運用には、攻めと守りを共存できるメリットがあります。
例えば、インデックス投資で資産を守りつつ、仮想通貨で大きく山を張るということもできます。
別に攻めと守り、共存できなくても良くない?
という意見も勿論あると思います。実際、相場環境を見ながらシーズンに合わせて攻めと守りを切り替えるのもOKだと思います。
ただ、一般的な個人投資家はそこまで投資に時間をかけられないというのが実情だと思います。
特にポートフォリオのダイナミックな切り替えは心理的なハードルも高いです。できても定期的なリバランスが関の山……。
であるなら、攻めと守りを共存させて緩やかにリスクを動かすことが可能なコア・サテライト戦略を提案したいです。(詳細はメリット③で!)
メリット③|相場環境に応じた柔軟な投資が可能
相場環境に応じて柔軟な投資ができるのもコア・サテライト戦略のメリットです。
例えば、基本はコア資産を8割、サテライト資産を2割としておき、経済的な余裕が出てきたタイミングや強気相場の局面で、コア資産を6割、サテライト資産を4割とするような攻めたアセットアロケーションをとることも、コア・サテライト戦略なら実現しやすいです。
イメージ的には以下のような感じです。
なお、相場環境に応じてリバランスすることは、コア・サテライト戦略でなくてもできることではあります。
ただ、もともと100%の一括投資をしていた人が急にその割合を60%まで落として、そのお金で別の資産を40%分買うのは心理的難易度が高いです。
コア・サテライト戦略のデメリット
- ポートフォリオの管理コストがかかる
- アセットアロケーションの不透明性に繋がる
デメリット①|ポートフォリオの管理コストがかかる
基本的にポートフォリオは複雑にすればするほど、複雑度に応じた管理コストがかかります。
ですが、コア・サテライト戦略は、その性質上ポートフォリオの複雑化を引き起こします。
例えば、最も簡略化された投資の例として、米国株式を対象としたインデックスファンドだけを積み立てる方法があります。
そのようなポートフォリオと比べて、インデックスファンドのほかに仮想通貨や個別株を扱うコア・サテライト戦略は、間違いなく複雑、かつ管理コストがかかると言えるでしょう。
別の記事で解説しましたが、多くの人にとって複雑なポートフォリオは無用の長物です。米国ないし全世界株式を対象としたインデックスファンドをリスク資産として保有し、リスクコントロールをキャッシュポジションによって行う手法が最も効率的です。
デメリット②|アセットアロケーションの不透明性に繋がる
先ほど話した複雑度は、アセットアロケーションの透明性の観点でも悪影響を及ぼします。
例えば、コア・サテライト戦略は自分がどの資産クラスをどれだけの割合で保有しているかを不明確にします。
一例として、コアとして株式、債券、コモディティのインデックスファンド、サテライトとして個別株を保有した場合、株式の資産クラスはコアとサテライトに跨って保有することになり、株式が総資産に占める割合を算出するには足し合わせてあげる必要があります。
これぐらいのレベルなら簡単に計算できますが、コア資産やサテライト資産の種類が増えるにつれ、アセットアロケーションが見えづらくなります。
結果、自身の資産の想定リターンやリスクが不透明になり、気がつかないうちに想定以上のリスクを抱えていたということもあり得ます。
おすすめのコア資産とサテライト資産は何か?
理屈が理解できたところで、ではコア資産とサテライト資産は何を選ぶべきなのでしょうか?
ユウシオのおすすめは以下です。
- コア資産:時価総額加重平均のインデックス型投資信託/ETF [ 対象:米国株式 or 全世界 ]
- サテライト資産:個別株 [ 対象:米国 > 日本 ]
コア資産:時価総額加重平均のインデックス型投資信託/ETF [ 対象:米国株式 or 全世界 ]
コア資産のおすすめは時価総額加重平均のインデックス型投資信託/ETFです。対象は米国株式か全世界株式が良いでしょう。
時価総額加重平均のインデックス型投資信託/ETFを選んだ理由は、以下の7点です。
- まだ若いのである程度リスクをとって、大きいリターンを確保したいため
- 株式市場は長期的には右肩上がり
- 現代ポートフォリオ理論に基づけば、市場ポートフォリオが最も効率的
- 市場全体を買うのでリスク分散の点で優秀
- 長期運用を前提とする以上は運用コストは限りなく低くすべき
- 複利効果を得られるため
- 運用の手間が少ない
ざっくり言えば、長期的に右肩上がりの見込みがあって効率よく運用できている商品に投資すべきだよねという話です。
また、コア資産は長期運用が前提となっているので、「高いリスク分散性」「低い運用コスト」は必須です。
現在、これらの条件を満たし、かつ個人投資家が手軽に購入できるのは時価総額加重平均のインデックスファンドや株式指数連動型のETFぐらいです。
詳細は別記事で解説しているので、良かったら参考にしてください。
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サテライト資産:個別株 [ 対象:米国 > 日本 ]
サテライト資産のおすすめは個別株です。米国がおすすめですが、リスク分散の観点で国内個別株も選択肢として視野に入れてよいと思います。
サテライト資産として個別株を採用した理由は以下の3点です
- 大きなリターンが見込める
- 個別株で学んだことはコア資産の運用にも活かせる
- 投資を実感しやすい
個別株はインデックスファンドや指数連動型ETFと比べて、ハイリスクな資産です。しかし、そのリスクの分だけリターンも大きいです。
なお、個人的には3つ目の理由が重要です。
というのも、インデックスファンドをメインとするのはとにかく暇です。暇なのは良いことかもしれませんが、投資をしている感覚を失いやすいのは微妙かなと個人的には思ってしまいます。
ですので、日々チャートや決算を見る個別株をサテライト資産として挙げました。
コア・サテライト戦略における運用のポイント
投資すべき商品も決まったのであとは運用だけですが、いくつか押さえておくべきポイントがあるので紹介しておきます。
コア・サテライト戦略における運用のポイントは以下の2つです。
- 資産を可視化する工夫を行う
- 定期的なリバランスを実施すること
資産を可視化する工夫を行う
デメリットとしても挙げたようにコア・サテライト戦略での運用は、ポートフォリオの複雑化やアセットアロケーションの不透明性を招きます。
そのため、資産の状況をいかに分かりやすくするかがポイントになります。
ただ、Excelなどを使って自分で管理するというのは、手間も時間もかかります。
昔、自分が手計算で管理していたときは毎週1時間ぐらいを掛けてました。たかが週に1時間ですが、されど1時間です。
今は「マネーフォーワード ME」を使って自動化しており、アプリを開くだけで資産状況を簡単に把握できるようになりました。(以下のような感じ)
コア・サテライト戦略での運用をする方は、ぜひマネーフォーワード MEの導入を検討してみてください。僕は月額500円のプレミアム版を使っていますが、無料プランもあるのでまずは無料版で試してみるのが良いと思います。
定期的なリバランスを実施すること
コア・サテライト戦略では定期的なリバランスが重要です。
というのも、運用過程で必ずアセットアロケーションが崩れて、必要以上のリスクや、目標値に足りないリターンで運用し続ける懸念があるためです。
以下のような形で定期的なリバランスを心がけましょう。
リバランスのタイミングはお好みですが、半年に1回ぐらいで良いと思います。あまり高頻度にやっても、税金や売買コストが掛かって利回りを低下する原因になりますので……。
コア・サテライト戦略に関するよくある質問
ここからはQA形式でよくある質問や疑問への回答を書いていきます。
コメントいただければ追記していきますので、良かったらページ下部のコメント欄や問い合わせページ、SNSから質問いただければと思います。
質問①|コア・サテライト戦略を取った方がいいのか?コア資産だけだとダメか?
- コア・サテライト戦略を取った方がいいのか?コア資産だけだとダメか?
-
コア資産だけで良いと思います。むしろ、多くの投資家にとってサテライト資産は不要というのが個人的な考えです。
「コア・サテライト戦略の記事を書いておきながら何言ってんだこいつ!」って感じですが、実際サテライト資産は多くの投資家にとって不要です。
というのも、コア資産(インデックスファンド)のみで構成されたアセットアロケーションよりも劣後するアセットアロケーションになる可能性が高いからです。
サテライト資産の導入がおすすめな人は以下のようなケースを除いて存在しないです。
- インデックス投資だけだと暇な人
- 趣味として投資を楽しみたい人
- 理屈は分かってるものの、それでも市場平均をアウトパフォームしたい人
- 資産の大半をコア資産につぎ込んだ状態よりも、更にハイリスク・ハイリターンを求める人
上記に該当する人は共にいばらの道を突き進みましょう。
ほとんどの個人投資家にとって、株式インデックスファンドのみで構成されるアセットアロケーションが最適とされる理由は以下の記事で解説しているので、理由が気になる方は読んでみてください。
質問②|コア・サテライト戦略と分散投資は何が違う?
- コア・サテライト戦略と分散投資は何が違う?
-
コア・サテライト戦略は攻めと守りの資産を共存させる考え方であり、必ずしも分散性を担保するものではありません。その点で分散投資とは異なります。
コア・サテライト戦略はあくまでも攻めと守りの資産を共存させるための考え方です。コアとサテライトをバランスよく持つことで、市場平均をアウトパフォームすることを目指します。
結果的に資産の分散性を確保することはありますが、必ずしも分散性を担保するものではありません。
今回の記事で例として挙げている、コア資産に株式のインデックスファンド、サテライト資産に個別株なんて分散投資からはかけ離れてますし……。
コア・サテライト戦略はあくまでも攻めと守りを共存させるための考え方だと思っておきましょう。
分散投資でリスク低減を図りたいなら、コア資産に債券、サテライト資産に不動産やゴールドなんかの組み入れも検討した方が良いです。
質問③|サテライト資産として米国株をおすすめしているが、なぜ日本株でなく米国?
- サテライト資産として米国株をおすすめしているが、なぜ日本株でなく米国?
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理由は3つ。
①米国は長期的に人口が増えて経済発展する見込みがあるため
②株主へ利益を還元する文化が企業に根付いているため
③世界的に有名な企業が多いため
上記の理由から米国株を個人的にはおすすめしています。
が、全然日本株でいいと思いますよ。上でも書きましたが僕も日本株保有してますし。
本ブログの推奨資産はコア資産を米国で埋めているので、リスク分散の観点でもサテライト資産として日本株を持つのは理にかなってます。
質問④|サテライト資産としてレバレッジ商品を組み込むのは問題ない?例えばレバナスとか。
- サテライト資産としてレバレッジ商品を組み込むのは問題ない?例えばレバナスとか。
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いいんじゃないでしょうか。ただ、そこまで高いリスクをとって高いリターンを求める必要があるかは吟味すべきです。
レバレッジというと毛嫌いする人もいますが、投資手法としては伝統的なものですし、うまく活用できる人は取り入れれば良いかと思います。
ただ、一般的な個人投資家の多くはレバレッジを取り入れる必要はないと思います。ですので、本当に必要かどうかは慎重に判断しましょう。
アセットアロケーションを考えると、レバレッジを取り入れるということは「キャッシュポジションをマイナス側に倒すこと」に等しいです。
例えば、レバレッジ3倍の商品をリスク資産として100万円分保有した場合、値動きは300万円での運用相当(※)ですが、そのうち200万円分は借入金みたいなものです。
よって、200万円分はキャッシュポジションからマイナスすべきです。イメージ的には「現金:リスク資産=-200:300」になります。
当然「現金:リスク資産=0:100」より圧倒的にハイリスクなので、その事実は十分に吟味されるべきです。想定リターンに囚われすぎないようにしてください。想定リターンは机上の空論でしかありません。
まとめ|コア・サテライト戦略とは?特徴やメリット、デメリットを解説
コア・サテライト戦略は、保有資産をコア資産(守り)とサテライト資産(攻め)に分けて、リスクを抑えながら高いリターンを目指す投資戦略です。
ただ、わかりにくい部分もあるので、しっかり理解しておきましょう。(しっかり書いたら本文は長くなってしまいました……)
以下、記事のおさらいです。
- コア・サテライト戦略は過度なリスクを回避しながらリターンの積極的確保を目指す投資戦略
- コア・サテライト戦略のメリット
- 分散効果を見込みやすい
- 攻めと守りの両方を共存できる
- 相場環境に応じた柔軟な投資が可能
- コア・サテライト戦略のデメリット
- ポートフォリオの管理コストがかかる
- アセットアロケーションの不透明性に繋がる
- ユウシオのおすすめ資産はそれぞれ下の2つ
- コア資産:時価総額加重平均のインデックス型投資信託/ETF [ 対象:米国株式 or 全世界 ]
- サテライト資産:個別株 [ 対象:米国 > 日本 ]
- 運用上のポイントは2つだけ
- 資産を可視化する工夫を行う
- 定期的なリバランスを実施すること
- あとはよくある質問を見てね
コア・サテライト戦略は、投資初心者から玄人まで幅広い方におすすめできる投資方法です。
この機会に、ぜひコアサテライト戦略を取り入れてみてください。不明点あればコメントなども受け付けてますのでお気軽に。
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