本記事では当ブログで実施している投資戦略について解説します。
知らなくても各記事は読めますが、知っておいてもらった方が理解は深まるので良かったら読んでみてください。
- リスクコントロールを最優先とする(コントロールはリスク資産と無リスク資産とのバランスによる調整)
- リスク資産はコア・サテライト戦略で積極的リターンを狙う
- 組み入れる資産はコア資産として株式インデックス、サテライト資産として個別株あたりがおすすめ
- 運用は定期的なリバランスのみ
- コア資産は追加購入、サテライト資産は積極的に売買してリバランスしていく
- 出口戦略は4%ルールに従う
- リスクコントロールとして資産配分の変更は必要
始めに|このブログで目指す投資戦略について
当ブログでは以下の投資戦略を前提に作戦建てしています。
- 投資は継続性が重要であるため、リスクコントロールが最優先
- リスクコントロールはリスク資産(株式や債券などの金融商品全般)と無リスク資産(現金のみ)のバランスによって行う
- リスク資産の内訳はコア・サテライト戦略を前提とし、コア資産を7~9割、サテライト資産を1~3割とする
- コア資産は全世界ないし全米株式のインデックス型投資信託/ETFを推奨、債券などの組み入れは好み
- サテライト資産は個別株推奨
- 運用は四半期もしくは半期ごとのリバランスでOK
- コア資産は待機資金を使った追加購入でリバランス
- サテライト資産は必要に応じて売却、再購入(保有資産にも拠るので一概には言えませんが)
- 出口戦略は4%ルールに従ったコア資産切り崩しを想定
- 出口を意識するころにはサテライト資産の割合は限りなく少額になっているはずなので、コア資産の切り崩しだけでOKのはず
図にまとめると以下のようなイメージです。
当ブログの各ページでの説明は汎用的に書いていますが、部分的には上記投資戦略を前提としている部分もあるので、この投資戦略を知っておいてもらった方が理解を深めやすいと思います。
なぜこのような戦略としているか?
プロフにも書いてますが、僕は普段は企業でエンジニアをしている兼業投資家です。
働きながら大学の博士課程にも進学しており、あまり時間も取れない人間です。
よって、投資に莫大な時間を費やすことは難しく、基本は隙間時間を活用した運用になります。
ですので、管理コストを削減しつつ、リターンを狙いやすい戦略を立てたいと常々考えており、今は当記事で紹介している手法に落ち着いたといった感じです。
僕と同じ「投資に時間をかけられない人」には、自分で言うことではないですが参考になると思います。
前提|ユウシオの投資戦略の立て方について
投資戦略を説明する前に、考え方から説明しておきます。
あくまでも個人的な意見ですが、投資において最も重要なのはリスクコントロールだと考えています。
というのも、投資はいかに継続的に行えるかが勝負だからです。
投資というのは長期的に継続さえすれば、世界経済が伸び続ける限りはリターンが得られる可能性が高いです。(正確にはインデックス投資に限って言えば……)
そのため、退場せざるを得ない状況に追い込むリスクというのは無視できないですし、それをコントロールすることは極めて重要です。
よって、僕の投資戦略の立て方は、リスクコントロールの行いやすさを最優先としています。
リスクコントロールが難しくなるようであれば、大きなリターンが見込める戦略であっても採用することはありません。
リスクコントロールはどのように行うか
では、リスクコントロールはどのように行うべきなのでしょうか?
当ブログでは、リスク資産(株式や債券などの金融商品全般)と無リスク資産(現金のみ)のバランスによって行う方法を推奨しています。
世間一般的には債券やコモディティを組み入れて分散性を上げた手法をおすすめすることが多いですが、このやり方はリスクの不透明化というデメリットがあります。
であるなら、可視化しやすい無リスク資産=現金に着目して、その現金が総資産に占める割合で判断してやるのが良いと考えています。現金を多く持つことは、資産全体としてのリスクを下げる行為に当たりますから。
実際、複雑なポートフォリオを組んだ場合と株式+現金のシンプルなポートフォリオを組んだ場合で、リスク低減効果に思ったほどの差がないことが分かっています。
例えば、以下はレイダリオのオールシーズンズポートフォリオと株式+現金のシンプルなポートフォリオを比較した結果ですが、リスク(株価の振れ幅)に大きな差がないことが分かるかと思います。
よって、当ブログではリスク資産と無リスク資産のバランスによってリスク制御する手法を採用している次第です。
キャッシュポジションの重要性について
ただ、現金を持っておくべきという話をすると、「少しでも投資に回した方がいいはずだ!」という指摘をよく貰います。
果たしてそうでしょうか?
キャッシュポジションを持つことには以下のようなメリットがあります。
- 相場の下落に対するクッションになる(下落リスクの軽減)
- 相場下落時の買付資金になる
- いざというときの資金源になる
リスク低減についてはすでに話をした通りですが、相場下落時の買付資金になるというのもポイントです。
例えば、コロナショックのような大暴落があった際に割安になった株を沢山拾えば大きなリターンを得られます。
ですが、割安株を買うための資金すら投資してしまっていては、そういった株のバーゲンセールを逃してしまう訳ですからリスクコントロール以外の側面でもキャッシュは重要と言えるでしょう。
リスク資産はどのように運用するか?
ここまで無リスク資産(現金)にフォーカスしてきましたが、リスク資産はどのように運用すべきでしょうか?
すでに無リスク資産、つまりキャッシュポジションを持つことでリスクコントロールはできてるので、リスク資産側はリターンの積極的確保を目指します。
とはいえ、過度なリスクを持つ商品は買い過ぎないようにします。
キャッシュポジションでリスクコントロールできているとはいえ、過度なリスクを持った金融商品を買うことは精神的不安を煽ります。
(例えば、無リスク資産を90%、リスク資産を10%の配分にすれば、仮想通貨のような大きなリスクをもつ商品を買っても理論上はOKです。ですが、仮にリスク資産が90%下落したら気持ちは落ち着かないでしょう。それは避けるべきです。)
そのために採用するのが、コア・サテライト戦略です。
コア・サテライト戦略とは、リスク資産をコア資産とサテライト資産に区別して運用する戦略のことです。
コア資産とサテライト資産にはそれぞれ目的があり、以下のことを目指しながら運用していきます。
- コア資産:長期的に安定的なリターンを得ること
- サテライト資産:リスクをとって高いリターンを目指すこと
このコア資産とサテライト資産のバランスをとることによって、過度なリスクを回避しながらリターンの積極的確保を目指すことが可能とされています。
当ブログでは、基本的にコア・サテライト戦略をベースとした運用をしており、各記事も所々コア・サテライト戦略を前提とした解説になっています。
ただ、1点補足しておくと、必ずしもサテライト資産を組み入れる必要はありません。
たとえば、コア資産と無リスク資産だけの保有でも全然OKです。具体的には、リスク資産として株式インデックスファンドだけというのもありです。
コア・サテライト戦略についての詳細は以下の記事でも解説しているので、「そもそもコア・サテライト戦略ってなに?」という方は参考にしてみてください。
リスク資産としてインデックスファンドだけでも問題ない理由は以下の記事で解説しているので、こちらも気になる方はどうぞ。
コア・サテライト戦略で組み入れる資産について
僕自身はコア資産、サテライト資産に以下のような金融商品を組み入れています。
- コア資産:時価総額加重平均のインデックス型投資信託/ETF [ 対象:米国株式 or 全世界 ]
- 具体的には、eMAXIS Slim 米国株式や全世界株式、VTI、VEA、VWO、IYR、AGG、GLDなど
- サテライト資産:個別株 [ 対象:米国、日本 ]、仮想通貨
- 具体的には、コカ・コーラ、P&G、NTT、オリックス、BTCなど
なぜコア資産に時価総額加重平均のインデックス型投資信託/ETFを選んだか?
コア資産の目的から、安定的かつ長期的に保有しやすい資産を選ぶべきです。
そこで、安定的かつ長期的に保有しやすい資産としてどういう選択肢があるかを考えると、以下のような金融商品が挙げられるでしょう。
- 定期預金
- インデックスファンド
- バランスファンド
- 個人向け国債
- 社債
- 金
- リート(人によってはサテライトかも…)
- 財形保険
では、「なぜこの中からインデックスファンドを選んだのか?」ですが、理由としては以下の7つです。
- まだ若いのである程度リスクをとって、大きいリターンを確保したいため
- リストの中の商品では、インデックスファンドとバランスファンドがリターン大
- 株式市場は長期的には右肩上がり
- 現代ポートフォリオ理論に基づけば、市場ポートフォリオが最も効率的
- 市場全体を買うのでリスク分散の点で優秀
- 長期運用を前提とする以上は運用コストは限りなく低くすべき
- 複利効果を得られるため
- 運用の手間が少ない
今は若いので多少失敗しても働けば取り戻せます。
ですので、コア資産の中でも比較的ハイリスク・ハイリターンな金融商品としてインデックスファンドを選んでいます。
ちなみに、リターンの観点だけ見ればバランス型ファンドでもいいかもしれませんが、バランス型ファンドの多くは信託報酬が高めであることと、市場ポートフォリオを反映しない組み入れ比率であることから、僕自身は避けています。
市場は投資家の考えを織り込んだものです。
そのため、各資産クラスの市場に流入する資金量というのは言わば「投資家からの人気度合い」です。人気な市場は多くのお金が流れるため、市場規模が大きくなります。
では、ここで考えてみてほしいのですが、長期的にうまく運用するためにはどの資産クラスを多く買うべきでしょうか?少なく買うのはどの資産クラスでしょうか?
なんとなく人気な資産クラスを多く買って、不人気な資産クラスは少なめにしておく方が上手くいく気が直感的にしませんか?
その感覚は合っていて、理論上、市場を再現するポートフォリオを作るのが最もシャープレシオ(投資効率)が良いとされます。
よって、バランス型のような市場ポートフォリオを反映しない運用をしてしまう投資信託は避けるべきなのです。
以上が、僕がインデックスファンドをコアとして選択した理由になります。
なお、「そもそもバランス型ファンドとかインデックスファンドって何?」って方は以下の記事がおすすめです。
なぜサテライト資産に個別株、仮想通貨を選んだか?
サテライト資産の候補としては以下のような商品がありそうです。(いい感じにまとめられなかったので、記載レベルにばらつきがあるのはご容赦ください)
- 個別株(高配当、バリュー株、グロース株など)
- 高配当ETF、投資信託
- レバレッジETF、投資信託
- 仮想通貨
- FX
- ハードアセット(不動産、太陽光発電など)
- 先物
このようにサテライト資産の選択肢は山のようにありますが、個別株を選んだ理由は以下の3つです。
- 大きなリターンが見込める
- 個別株で学んだことはコア資産の運用にも活かせる
- 投資を実感しやすい
僕自身は半分趣味のような形で投資をしているので、個別株という選択は勉強にもなって良かったと思ってます。
また、仮想通貨を選択した理由も紹介しておくと、
- 新しい金融商品にチャレンジしてみたかったため
- 新しい技術を使った商品への理解を深められるため
- バックテストしたところ、5~10%の組み入れなら許容リスク範囲内のため
といったような理由からです。現在は主にビットコインに投資をしています。
PlanBさんのストックフローモデルに従えば、2025年には1BTC=1億円ほどになる見込みとされており、仮に予定通りの値動きはしないとしても少額資金を投資しておくことは妙味があると判断しました。
ただし、ストックフローモデルはビットコインの希少性のみに着目しており、需要が考慮できてないなどの問題点もありますので、判断は慎重に行ってください。
かつてはビットコイン以外のコインがありませんでしたが、今は他のアルトコインが沢山増えたためビットコインの希少性は毀損されています。結果、需要は下がっており、ストックフローモデルは成立しえないという考え方もあるかと思います。
また、出口戦略をしっかり計画しておくのも重要です。個人的には、1ビットコイン=2,000万円程度になれば全売却するぐらいの計画です。
ただ、1ビットコインが2,000万円を超えることを強気で見込んでいるわけではないことには注意です。2,000万円どころか100万円を下回ることすらあるでしょう。
どのように運用していくか?
基本的に以下のように半期もしくは四半期ごとのリバランスでの運用を行っています。
- コア資産:待機資金を使った追加購入でリバランス
- サテライト資産:個別株は必要に応じて売却+購入、仮想通貨はホールド+タイミング見て追加購入+売却
上でも書きましたが、コア資産は長期保有前提です。
ですので、まだまだ売却予定はありません。基本は追加購入し続ける方針です。
サテライト資産については金融商品にも拠るので一概には言えませんが、個別株の場合は市場を読みながら積極的に売買する方針です。
ただ、個別株の銘柄選定~売却の流れは、結構難しいです。投資家のほとんどがインデックスファンドを上回るリターンを個別株で得られてないことは理解しておいてください。
そのような前提を理解してもなお、サテライトとして個別株をメインに据えるのであれば、以下の記事が役に立つと思います。銘柄選定やよくある疑問について解説しています。
仮想通貨については需要があれば記事を書きます。
ただ、99%の人はガチホでOK。トレードを頑張ってもいいですが、それなら仮想通貨ではなく他の選択肢があるでしょう。仮想通貨は税制面で不利過ぎます。
出口戦略について
まだ出口には到達していないので、あくまでも予定でしかありませんが以下の3点を想定しています。
- 4%ルールに従った資産の切り崩し
- 保守的な資産配分への変更
- 最後は必要な分を取り出す
正直、将来の予測なんてのは無理なので、僕ら投資家にできることは大まかなリスクコントロールのみです。
そして、リスクをコントロールするためにできることは②の保守的な資産配分への変更ぐらいです。
例えば、米国株式インデックスファンドから債券に変更するのも一つの選択肢です。キャッシュポジションの割合を増やすというのもありですね。
後は4%ルールに従って少しずつ切り崩し、最後は必要な分を取り出しましょう。
インデックス投資限定ではありますが、出口戦略については以下の記事にまとめているのでよかったらどうぞ。4%ルールを知らない方は必見です。
まとめ|当ブログで目指す投資戦略について【投資に時間をかけられない人におすすめ】
当ブログで採用している投資戦略について解説していきました。
以下は記事のまとめです。
- リスクコントロールを最優先とする(コントロールはリスク資産と無リスク資産とのバランスによる調整)
- リスク資産はコア・サテライト戦略で積極的リターンを狙う
- 組み入れる資産はコア資産として株式インデックス、サテライト資産として個別株あたりがおすすめ
- 運用は定期的なリバランスのみ
- コア資産は追加購入、サテライト資産は積極的に売買してリバランスしていく
- 出口戦略は4%ルールに従う
- リスクコントロールとして資産配分の変更は必要
極力、手間のかからない投資戦略を立てているので、投資に時間をかけられない人やかけたくない人におすすめです。
出来る限り詳細に解説してみましたが、わかりにくい点があれば問い合わせページやTwitterから質問いただければと思います。
今回は以上です。
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