- 単元未満株、ミニ株ってなに?
- 単元未満株とミニ株の違いって何だろう?
- それぞれどういうときに選べばよい?
この記事では上記のような疑問を解決いたします。
少額取引で株式投資を行おうとすると必ず直面するのが、資金が足りなくて欲しい銘柄が購入できないという問題です。
頑張って銘柄分析していい銘柄を見つけても、資金が足りなくてあきらめてしまう経験をした方は多いかと思います。
しかし、あきらめるのはちょっと待ってください。
実は資金が少なくても単元未満株やミニ株を利用すれば買うことができます。
この記事では、「単元未満株、ミニ株ってなに?」「単元未満株、ミニ株ってどういうことができるの?」を解説していきます。
資金が少ない方は単元未満株、ミニ株を有効活用する必要があるので、しっかり理解しましょう。
単元未満株、ミニ株の特徴
単元未満株とは?
単元未満株とは、銘柄ごとに決められている最低売買単位である1単元の株数に満たない株式のことを指します。
一般に1単元=100株とされることが多いので、100株未満の株式を単元未満株ととらえてもらえば良いです。
例えば、株価10,000円の銘柄を1単元(100株)買おうとすると、100万円かかるので少額資金だと購入は難しいですが、1株買うだけなら1万円で済むので、資金が少ない人にやさしい仕組みです。
ミニ株とは?
ミニ株とは、単元株(100株単位)以下の10株もしくは10の倍数株数だけ購入できる投資手法で、株式ミニ投資とも呼ばれます。
正確には株式ミニ投資で取り扱うもののみをミニ株と言いますが、ミニ株を単元未満株と同義で説明しているサイトも多いので、基本的にはミニ株≒単元未満株という理解で良いです。
ただし、1点だけ注意点があり、単元未満株は名義人が取引者本人になりますが、ミニ株は名義人が証券会社になります。
このことは後述する優待と議決権の取り扱いに影響するので、しっかり覚えておいてください。
2022年現在、株式ミニ投資を取り扱っている証券会社や銀行はほとんどなくなりました。仮にミニ株謳っていたとしても、そのサービスの実態は単元未満株を指しているケースが多いです。取引証券の名義人が証券会社か取引者かを確認すればミニ株か単元未満株かがわかるので、ぜひご確認ください。
補足|日本の株式市場における最低売買単位(単元株)について
今の日本の株式市場では、単元株制度というものがあり、最低売買単位が100株という風に定められています。
そのため、1株1,000円の銘柄を買おうとすれば、最低でも10万円の資金が必要になります。株価10,000円の銘柄であれば、100万円です。
本当は購入手数料がかかるのでもっと必要ですが、ややこしくなるのでここでは省略
資金が潤沢にある方ならば100万ぐらいさらっと払えるかもしれませんが、少額で株式投資をしたい人には株価の高い銘柄を購入するのはちょっと厳しいです。
単元未満株、ミニ株のメリット・デメリット
以下に単元未満株、ミニ株のメリット・デメリットをまとめました。
- 少ない資金で投資ができる
- ローリスクである
- 分散投資しやすい
- 経験を積みやすい
- 単元未満株は株主優待、議決権がある
- リアルタイムでの株式取引が出来ないことが多い
- 手数料が割高になる
- リターンが少額になりやすい
- 購入できる銘柄が限定される
- ミニ株は株主優待、議決権がない
それぞれの詳細について解説していきます。
単元未満株、ミニ株のメリット
- 少ない資金で投資ができる
- ローリスクである
- 分散投資しやすい
- 経験を積みやすい
- 単元未満株は株主優待、議決権がある
メリット①|少ない資金で投資ができる
単元未満株、ミニ株の一番のメリットは、少ない資金で株式投資ができることです。
単元株では高額で買い付けられない優良企業の株式でも、ミニ株なら買うことが出来ます。
例えば、任天堂<7974> を例に考えてみましょう。任天堂の2019年7月26日の終値は40,220円でした。
これを単元株で買おうとすると、なんと402万2,000円が必要になります。個人投資家の大半にとって、400万という金額は安くはないはずです。
しかし、単元未満株やミニ株を利用すれば1株単位から購入できます。
任天堂であれば、10株を購入する場合は40万2,200円、1株なら4万220円あれば買えちゃうわけです。400万は難しくても4万なら何とかなる方も多いはず。
このように、単元未満株やミニ株を利用すれば、本来多額の購入資金が必要な銘柄でも少ない資金で買うことができるのです。
投資へのハードルを下げ、誰でも有名企業の株を買えるようにしたのが単元未満株、ミニ株の良さです。
メリット②|ローリスクである
単元未満株やミニ株がのメリットとして、ローリスクであることも挙げられます。
少ない資金で運用するので、損失が出ても大きな金額まで膨らむことはありません。
当然、投資額が増えるとリスクも大きくなりますが、通常の1/10の投資であれば、リスクも1/10です。
とりわけ初心者の方は投資に慣れてないはずですので、単元未満株やミニ株を使って、ローリスクで雰囲気をつかむというのも良いです。
メリット③|分散投資しやすい
銘柄ごとの投資額が小さいので、少ない金額でも分散投資がしやすいです。
通常、株式投資に回すことが出来る資金が少ない場合に分散投資をするのはとても難しいですが、単元未満株やミニ株を利用すれば少ない資金の場合でも、分散投資を意識したポートフォリオを組むことも可能です。
分散投資について詳しく知りたい方は、以下の記事も参照してみてください。
メリット④|経験を積みやすい
単元未満株やミニ株は投資額こそ小さいものの、使うチャートや情報は通常の株式投資と同じものです。
そのため単元未満株やミニ株であれば、ローリスクで経験値を積むことも可能です。
メリット⑤|単元未満株は株主優待、議決権がある
単元未満株であれば、株主優待を受けることが出来ますし、議決権の行使も可能です。
ただ、株主優待や議決権は必要な保有株数が決まっているので、そこは注意です。
通常の株式取引と同じで、100株が優待条件なら100株分を買うまで優待はもらえません。議決権の行使は、単元株数を保有するまでは不可です。
なお、後述しますが、ミニ株の場合は株主優待を貰うことも、議決権の行使も不可になります。
単元未満株、ミニ株のデメリット
- リアルタイムでの株式取引が出来ないことが多い
- 手数料が割高になる
- リターンが少額になりやすい
- 購入できる銘柄が限定される
- ミニ株は株主優待、議決権がない
デメリット①|リアルタイムでの株式取引が出来ないことが多い
リアルタイムでの株式取引が出来ないことは単元未満株、ミニ株の大きなデメリットです。
例えば、SBI証券の場合は
- 7:00~10:30の注文⇒当日 後場始値
- 10:30~13:30の注文⇒当日 後場終値
- 13:30~7:00の注文⇒翌営業日 前場始値
での買付、売却となり、実質的に成行注文での取り扱いしかありません。よく使われる指値注文はできないので注意しましょう。
とはいえ、売買株数が少ないということは売買金額も少ないはずなので、成行の株価でも大きな問題はないと思います。また、LINE証券のようなリアルタイムで取引が可能な証券会社も最近は出てきています。
注文時に希望の金額を指定しておいて、希望の金額に価格が到達したら約定するという株価優先の注文方法のこと
デメリット②|手数料が割高になる
単元未満株やミニ株は投資額が小さくなるので、投資額に対する手数料が高くなってしまいがちです。いわゆる手数料負けと呼ばれるものです。
使っている証券会社の手数料の料金プランによっては、手数料で利益が圧迫されるなんてことも十分にあり得ます。
単元未満株やミニ株を扱うときは、できるだけ少額取引向けの手数料プランを扱っている証券会社を選びましょう。
プランによっては、一定額までの約定金額であれば無料ということもあります。
デメリット③|リターンが少額になりやすい
投資額が少なくなりがちなので、当然のことですがリターンも小さくなります。
あえて言及するかは迷いましたが、一応デメリットとして紹介しています。
デメリット④|購入できる銘柄が限定される
購入できる銘柄が限定されるのも単元未満株やミニ株のデメリットです。
単元未満株やミニ株で買える銘柄は増えてはいますが、まだまだ有名企業がほとんどです。
単元未満株やミニ株の取り扱いが無い中小型株であれば、株価もそこまで高くなく、通常の単元株数で買えば良いケースが多いですが、稀に買いたい銘柄が取り扱ってないということもあるので注意しましょう。
デメリット⑤|ミニ株は株主優待、議決権がない
単元未満株と違って、ミニ株には株主優待はなく、株主総会における議決権も付与されません。
そのため、株主総会にも通常は参加できません。
では、なぜ単元未満株は優待や議決権があって、ミニ株には優待や議決権ないのでしょうか?
株主優待や議決権は、株主名簿に記載されている名義人に対して付与されます。
しかし、ミニ株の特徴としても紹介しましたが、株式ミニ投資で名義人として記載されているのは証券会社の名前です。
よって、株主優待や議決権は証券会社に付与されており、私たち投資家はその権利を受けられないのです。
ただ、証券会社に付与されたはずの株主優待は必ずしも闇に葬られるわけではなく、証券会社によっては優待を換金した上で投資家に分配する仕組みを取っていたりします。
とはいえ、すべての優待が換金可能というわけではないので、あまり期待しない方が良いです。
単元未満株、ミニ株に関するよくある質問
以下に単元未満株やミニ株に関するよくある質問をまとめました。ほかにも聞きたいことあれば、ブログのコメントやTwitterで問い合わせてもらえれば、回答および追記します。
- 単元未満株とミニ株の違いはなに?
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単元未満株=1単元の株数に満たない株式、ミニ株(株式ミニ投資)=10株単位の株式。ただし、単元未満株とミニ株の違いを語るには、株式数の違いよりも取引証券の名義人の違いの方が重要です。ミニ株は名義人が証券会社になりますが、単元未満株であれば私たち投資家本人が名義人なので、優待や議決権を得ることが可能です。
- 単元未満株やミニ株の一番のメリットは何だと思う?
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メリットを一つ選ぶなら経験を積みやすいことであると個人的には思います。逆に言えば、経験を十分に積んだ投資家が単元未満株やミニ株にこだわり続ける意味はないという考えです。経験を十分に積んで、まとまった資金があるなら普通の1単元での取引に移行しましょう。単元未満株やミニ株は手数料の割高感や銘柄選択の制限の観点で、いつまでも使いつづけるサービスではないと思います。
- 単元未満株やミニ株での取引きをするなら、おすすめの証券会社はどこ?
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今の環境ならネオモバもしくはLINE証券の2択です。ネオモバは月額220円で月間約定代金50万円以内なら取引し放題です。LINE証券はスプレッドとして手数料を購入代金に乗せているのでわかりにくいですが、業界としては最安水準ですし、定期的に行われるタイムセールは魅力的です。とはいえ、単元未満株は所詮少額取引なので、好きな証券会社を選んでも劇的な差にはならないと思います。
- どれぐらいの資金を個別株に当てられるようになったら、単元未満株やミニ株を卒業すべき?
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一概には言えませんが、僕なら100万円ぐらい当てられるようになったら単元未満株やミニ株は卒業します。100万円もあれば、100株単位で買ったとしても2~3銘柄ぐらいは買えます。中小型株であればもっと株価が低いケースも多いので、60万円ぐらいでも十分ではないでしょうか。
まとめ|単元未満株・ミニ株とは?特徴とメリットやデメリットを解説
今回は単元未満株やミニ株について解説しました。
単元未満株やミニ株を上手く活用すれば、少ない資金でも株式投資を始めることができます。メリット・デメリットをしっかり理解して、活用していきましょう。
- 少ない資金で投資ができる
- ローリスクである
- 分散投資しやすい
- 経験を積みやすい
- 単元未満株は株主優待、議決権がある
- リアルタイムでの株式取引が出来ないことが多い
- 手数料が割高になる
- リターンが少額になりやすい
- 購入できる銘柄が限定される
- ミニ株は株主優待、議決権がない
とりわけ個別株投資に当てられる資金が100万未満の方は、単元未満株の導入を検討してみても良いと思います。
単元未満株やミニ株の特性を理解して、ぜひ今後の投資に役立ててください。
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