この記事では上のような疑問を解決します。
結論から言うと、資産運用で効率よく資金を増やすには、「複利運用」が必須です。
単利は「元本に対して一定の利益を重ねていく」、複利は「利益を元本に追加して利益効率を増加させていく」という違いがあります。
しかし、言葉ではわかっていても、実際にどれだけ運用成果に影響するのかはわからないですよね。
そこでこの記事では、単利と複利の特徴を比較することで、複利の資金効率の良さを理解することを目指します。
単利とは?
単利は元金に対して、一定の利息を積み上げていくことを指します。
たとえば、元金10万円を10%の金利で単利運用した場合、1年目、2年目、3年目と毎年1万円ずつ利益を得ることになります。
つまり、ある期間の間、単利で運用した場合の利益は以下の式で計算できます。
利益 = 元本 × 金利 × 年数
100万円の元本で、年利10%(0.1)で10年間運用すれば、100万円の利益になるわけですね。
100万円 × 0.1 × 10年 = 100万円
元金が多ければ多いほど、運用年数が長ければ長いほど、比例関数的に利益も増加していきます。
複利とは?
複利とは、運用で得られた利益を再投資に回して、元本を増やしながら運用することを指します。
たとえば、元金10万円を10%の金利で運用すれば、1年目で利益を1万円得られます。その得られた1万円を翌年の元金に追加して、2年目は11万円で運用するといった具合です。
2年目以降は増えた元金で運用していくので、利益が雪だるま式に膨れ上がるのが特徴です。
複利の利益は以下で計算できますが、ややこしいので覚えなくてもOKです。
利益 = 元金 × (1 + 金利)^ n - 元金
最近は計算してくれるサイトがあるので、それを使いましょう。便利な世の中になりました。
単利のときと同じ条件(元金100万円、年利10%、運用期間10年)で計算してみた結果が以下になります。
計算結果から、最終的には約260万円になることが分かります。
単利のときは100万円の増加でしたが、複利では160万円の増加になるのです。
やはり複利の一番のメリットは単利よりも資金効率が良い点です。
特に運用期間が長期になればなるほど、複利効果は大きくなることは理解しておいてください。
複利と単利の投資商品
次は単利と複利運用に適した投資商品について見ていきましょう。
単利の投資商品
単利で運用する投資商品は、実はほとんどありません。以下の3つぐらいです。
とはいえ、単利型定期預金は滅多に見かけないので、単利運用するとしても「分配型の投資信託」ぐらいでしょう。
毎月決まった日に決算が行われ、その度に投資家が分配金を受け取ることができる投資信託のこと。以下の記事で軽く触れています。
単利運用の投資商品は毎月お金が入ってくるので、儲かった感覚が強いのが良さです。
ちなみに僕は単利運用の投資商品は持っていません。理由は後述します。
複利の投資商品
複利の主な投資商品は以下です。
見ての通り、メジャーな金融商品はほとんど複利運用です。
なので、多くの人は意識せずとも複利運用できている可能性が高いです。
単利のメリットとデメリット
単利のメリットとデメリットを解説します。
単利のメリット
単利の投資商品のメリットは、収益を定期的に受け取れるので、投資で稼いでる感が強いことです。
稼いだお金を、すぐに生活費に充てたりできるのも良いですね。
単利のデメリット
単利のデメリットは「資金効率が悪い」に尽きるかと思います。
特に将来のために長期運用するのであれば、単利での運用はおすすめしません。
というのも、基本的に投資で大金を得るには「それなりの元本」は必要になってきます。
仮に元本1億円で1000万円作るなら利率10%を目指すだけなので十分可能ですが、大体の人はそんなに元本はありません。
なので、単利運用がおすすめできるのは、単利運用以外で稼ぎ頭があるか、莫大な資金をすでに持っている方だけになります。
複利のメリットとデメリット
次は複利のメリットとデメリットの解説です。
複利のメリット
複利のメリットは、得られた利益を元本に加算するため、資金効率良く運用できる点にあります。これを「複利効果」と呼びます。
単利と比べて圧倒的に資金を増やすことができます。
実際、単利と複利でどれくらい差があるのか?
以下のグラフは、元金100万円を年利5%で運用した場合のグラフです。青の線が複利で運用した時のグラフ、緑の線が単利で運用した時のグラフです。
見てもらうと一目瞭然ですが、複利の方が圧倒的に儲かるんですよね。単利運用だと300万にしかならないところを、複利運用では700万もの金額になります。2倍以上です。
複利のデメリット
とはいえ、複利にもデメリットはあります。
複利のデメリットは、マイナス局面に弱い部分にあります。
というのも、得られた利益を投資資金につぎ込むので、結果的に投資に回すお金が膨らみます。そのため、プラス収益も上がるのですが、マイナスも増えやすくなります。
つまり、単利よりもハイリスク・ハイリターンな運用と言えるので、そこには注意が必要です。
個人的には複利がおすすめです
今回は、単利と複利の特徴とそのメリット・デメリットについて解説しました。
単利も複利もそれぞれのメリットがありますが、個人的には「複利」がおすすめです。やはり資金効率良く運用できるのは魅力的なんですよね。
実際、投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェットも複利運用を重要視しており、彼自身複利運用で2020年の現在、約10兆円もの資産を築いております。
これから投資を始めるという方は、単利と複利の特徴を理解して効率よく資産を増やしていってくださいね。
コメント