投資信託ってたくさんあるけど、どういう種類があるんだ?
分類法みたいなのがあったら教えてくれ。
こんな悩みを解決します。
投資信託と一口にいっても沢山の商品があり、その数は5000以上にもなります。
そのため銘柄をしっかり選ぶのは大変なのですが、実はいくつかの観点で分類することが可能です。
分類さえ分かってしまえば自分の投資方針に合わせて選ぶだけなので、すべての投資信託をチェックしなくても良くなり、運用が楽になります。
そこでこの記事では、投資信託の種類と分類の観点について解説していきます。
記事の内容を理解すれば、投資信託の種類について全体を俯瞰できます。また、分類観点を押さえることで運用を楽にすることができます。
投資信託の商品の分類
投資信託の商品の分類観点としては以下の8つの観点があるので、しっかり理解しておきましょう。
たくさんあって大変かもですが、ここでしっかり押さえておけば一気に投資信託上級者です。
では、それぞれの詳細についてみていきます。
投資信託の商品の分類観点①|投資地域がどこか?
投資信託の投資先は日本だけでなく、世界のいろいろな国を選ぶことができます。
選択できる対象はおもに「国内」「先進国」「新興国」の3つで、それぞれ以下のような特徴を持ちます。
個人的には国内もしくは先進国を投資対象とした投資信託が初心者の方へは一番おすすめです。
というのも、どちらも情報の入手難易度が低く、安全性が高い(リスクが低い)からです。
一方で新興国は経済の急成長を期待できる反面、不安定要素も多いので初心者には難易度が高いです。
なるほどな。じゃあ、俺は慣れてないから国内か先進国にしよう!
投資信託の商品の分類観点②|投資対象が何か?
次の投資信託の分類観点は「投資対象が何か?」です。
投資信託を投資対象で分けた場合、主に「株」「債券」「不動産」「その他」に分けることができ、それぞれ以下のような特徴を持ちます。
個人的には、投資対象については「株≧債券>不動産>その他」の順におすすめです。
なんで株がと債券おすすめなんだ?
理由はたくさんあるけど、一番は「株と債券で始める人が多くてお金が集まりやすいから」だね。
やっぱりファンド的にもお金が集まるほど運用しやすいから好成績で運用できる可能性が高いんだよね。
ほかの理由としては、株や債券は情報が入手しやすいのもあります。
ですので、初心者のうちはまずは株や債券で始めてみて、慣れてきてから不動産やコモディティなんかに挑戦してみるのが良いと思います。
投資信託の商品の分類観点③|購入時期に制約があるか?
投資信託には、最初の募集期間しか購入できない「単位型」と、購入したい時にいつでも購入できる「追加型」があります。
「単位型」はユニット型とも呼ばれ、募集期間しか買えず、募集期間以降はその投資信託を購入することはできません。
解約については、いつでも解約できる商品や一定期間解約ができない商品などがあり、商品によって異なります。
一方、「追加型」はオープン型とも呼ばれ、最近の投資信託の主流となっています。
追加型はイラストの通り、いつでも購入が可能です。解約については、基本的に自由にできるので安心です。
ちなみに個人的なおすすめは追加型です。理由としては、単位型は制約が多いから。
投資信託は資金管理が結構重要なのですが、解約できない期間などがあるといつ解約するかも逆算しながら買わないといけないのでちょっと面倒です。
また、積み立て投資もできないですしね。
たしかに急にお金が必要になったりしたら困るもんな。
相当資金に余裕がある人なら単位型もアリだけど、ほとんどの人は少しずつ積み立てて買うことができる追加型の方が運用しやすいはずだよ!
ちなみに単位型と追加型の違いについては「投資信託っていつでも売ったり解約したりできるの?【単位型、追加型、クローズド期間について】」でより詳しく解説しているので、もっと詳しく知りたい方はあわせて読んでみてください。投資信託の基礎知識の理解が深まるはずです。
投資信託の商品の分類観点④|インデックスかアクティブか?
4つ目は「インデックスファンドかアクティブファンドか?」です。
文章だけだとちょっと分かりづらいのでイラストにしてみると以下のような感じ。
上記のように、インデックスファンドはベンチマークと同じ動きになるように運用します。
一方、アクティブファンドは、ファンドマネージャーが市場の平均以上の動きになるように運用する点で異なります。
まぁ、簡単に言えば「平均点をとる運用」か「ガンガン攻めて平均以上を目指す運用」かの違いだね。
ちなみに個人的にはインデックスファンドの方がおすすめです。
詳細を解説すると、ここでは書ききれないボリュームになってしまうので割愛しますが、一番大きな理由は「アクティブファンドはインデックスファンドに勝てない」とされているから。
詳しくは「インデックスファンドがおすすめされる理由を解説」で説明しているので、気になった方はあわせて読んでみてください。
投資信託の商品の分類観点⑤|購入手数料が無料か?
5つ目の観点は「購入手数料が無料か?」です。
実は投資信託で結構大事なのが購入手数料。
ほかの記事でもたびたび書いているのですが、僕は「手数料を制する者が投資信託を制する」と思っています。
というのも、投資信託は基本的に大きなリターンが見込めないので、数%とはいえ購入手数料は馬鹿にならないからです。
なので、手数料を抑えて投資信託を買うことをこのブログではおすすめしているわけです。
すこし話が逸れましたが本題に入ると、購入手数料が無料である投資信託のことをノーロード投資信託と呼びます。
ノーロード投資信託はネット証券が出てきたことで増え始め、最近では結構主流になりつつあります。
購入手数料が無料なので、少額資金での積み立てと相性が良く、国が選んだ「つみたてNISAで買える投資信託」にも実はノーロード投資信託しかありません。
無料と聞くと変に勘ぐってしまいそうですが、安心安全な投資信託なのでぜひ有効活用してください。
安全なんだったら活用しない手はないな!
うん、ぜひノーロード投資信託は活用してほしいね。僕もノーロード投資信託に分類されるファンドをメインに買っているよ。
ノーロード投資信託が「なぜ購入手数料が無料なのか」や「メリット・デメリット」などを「ノーロード投資信託とは?メリットやデメリット、仕組みについて解説」で解説しているので、より詳しく知りたい方は合わせて読んでみてください。
投資信託の商品の分類観点⑥|分配金をどう扱うか?
6つ目の分類観点は「分配金をどう扱うか」です。
分配金の扱いとしては「受け取り方」という点で、大きく分けて以下の3つに分けることができます。
以下にイメージ図をまとめてみました。
分配金にもいろんなタイプがあるんだな。
ぱっと見た感じ分配型がお金貰えるから楽しそうだけど、どれがいいんだ?
個人的には、②再投資型もしくは③無分配型のどちらかがオススメです。
というのも、長期投資は複利効果を最大限に活用するのが大事だから。
複利効果とは、運用で得られた利益を再投資に回して元本を増やしながら運用したときに得られる効果で、加速度的に資金を増やすことができます。
数十年という期間で積み立て運用をした場合、数百万レベルでの差がつくこともあるんだ!
ですので、基本的には利益を元本に戻せる②再投資型もしくは③無分配型をおすすめしているわけです。
ちなみに複利効果については「単利と複利の違いとは?メリット・デメリットは?【効率よく稼ぐには「複利」で運用しよう】」で解説しているので、より詳しく知りたい方は合わせて読んでみてください。
(注意点)実質的な無分配型について
ただ、1点だけ注意点があるのでそれだけ少し補足すると、場合によっては①分配型も選択してもOKです。
え!?でも、複利効果を得られないんじゃないのか?
実は分配型投資信託の中には”実質的に無分配型”のものがあるんだよね……。
少しややこしい話ですが、①分配型の中には”実質的に無分配型”のものがあります。
どういうことかと言うと、「分配型だけど分配金が0円になっているパターン」です。
実際に見てもらった方が分かりやすいと思うので、以下に簡単にまとめてみました。
あれ?分配金がずっと0円なんだな。
そうなんだ。つまり、受取型を選んでも分配金は発生しないんだ。
だから、”実質的な分配型”と言ったわけだね。
このような分配金0円の場合は、実態として③無分配型に等しく複利効果を得ることができます。
そのため、②再投資型や③無分配型にあわせて”実質的な無分配型”についてもおすすめになります。
なお、分配金については「投資信託の分配金とは?仕組み、受け取り方や調べ方を解説」で詳しく解説しています。
分配金の出し方やその調べ方もあわせて解説しているので、分配金の仕組みを知らないというあわせて読んでみてください。
投資信託の商品の分類観点⑦|運用形態がどうなっているか?
7つ目の観点は「運用形態がどうなっているか?」です。
ここで言う運用形態とは運用会社での管理の仕組みのことで、投資信託の運用形態として以下の2つがあります。
ファミリーファンド方式とは
ファミリーファンド方式では、複数のベビーファンドが投資家から資金を集めてそれをマザーファンドが運用する形態をとっています。
投資対象が同じだけど分配金などの方針が異なる投資信託をまとめて運用して、売買にかかる手数料などを抑えています。
最近の優秀な投資信託の多くはこの方式をとっているイメージです。
資金をマザーファンドに集約するので、「大規模資金による安定した運用」と「運用をまとめることによるコストダウン」の2点でメリットがあります。
ファンド・オブ・ファンズ方式とは
一方でファンド・オブ・ファンズ方式では、投資信託そのものに投資するという形態をとっています。
株や債券を複数組み合わせて投資している投資信託は、それ自体にリスク分散の効果がありますが、そんな投資信託をさらに複数組みわせることでより高い分散投資の効果を期待することができます。
分散投資によってリスクを下げて、運用の安定性を高めた商品として人気がありますが、複数の投資信託を買っているので購入・保有・売却に関わる費用がコストとして掛かってきます。
なので、全体としてファンド・オブ・ファンズ方式の投資信託は手数料が高くなる傾向にあります。
ファミリーファンド方式とファンド・オブ・ファンズ方式のどっちがおすすめか?
このブログでは度々書いていますが、投資信託はコストを抑えることが大事です。
なので、個人的にはファミリーファンド方式がおすすめ。
すべてのファミリーファンド方式の投資信託がそうと言うわけではないですが、手数料が低いのは大きなメリットです。
ファンド・オブ・ファンズ方式の投資信託がダメと言うわけではないですが、比率を低く抑えるなどの工夫をするのが良いでしょう。
投資信託の商品の分類観点⑧|積み立てかリアルタイム購入か?
最後はちょっとオマケみたいな話ですが、投資信託の分類観点として「積み立て購入かリアルタイム購入か?」というのもあります。
例えば、投資信託は通常、基準価額がでるのは1日1回ですが、ETF(上場投資信託)やREIT(不動産投資信託)はリアルタイムに価格が変動します。
そのため、買い方として、積み立て購入をするかリアルタイムで買うかの違いがあります。
投資信託自体の性質と言うわけではないですが、分類として知っておいて損はないので覚えておきましょう。
ちなみにETFについては「ETFとは?ETFの仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説」で詳しく解説しているので、ぜひあわせて読んでみてください。
ETFの仕組みやメリット・デメリットを理解できるはずです。
まとめ|投資信託の商品の種類は何がある?分類の観点と合わせて知っておこう
今回は投資信託の種類と分類観点について解説していきました。
かなりたくさんあり理解が大変だったかと思いますが、ここまで読み切れたあなたは間違いなく投資信託の初心者から一歩進んだ位置にいます。
今一度おさらいして、理解を深めましょう。簡単に以下にまとめておいたので、参考にしてください。
上記の内容を押さえれば、各種投資信託の全体を俯瞰できるようになれるはずですよ。
今回はこれでおしまい!お疲れさまでした!
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